イギリスに旅行や滞在で訪れた際、現地のスーパーマーケットのビール売り場に足を運ぶと、その種類の多さに圧倒されるはずです。テスコ(Tesco)やセインズベリーズ(Sainsbury’s)、ウェイトローズ(Waitrose)といった主要なスーパーの棚には、数多くのボトルや缶がずらりと並んでいます。
私の夫のクリスは、大のビール党。イギリス滞在時の楽しみの一つが、本場イギリスの美味しいビールを飲むこと、といっても過言ではありません。
彼の好みは、昔ながらのビールらしいビール。クリスがすすめる、そして私たちが滞在中必ず飲む英国エール、「これぞ、英国ビール!」ともいうべき5銘柄、イギリスのスーパーマーケットで気軽に買えるものをピックアップしました。
- CAMRA(リアルエール保護協会)とは?イギリスの伝統ビールを選ぶ最強の基準
- イギリスのスーパーで買うべき伝統ビールおすすめ5選:歴代のCAMRA王者たち
- 1. ティモシー・テイラーズ — ランドロード(Timothy Taylor’s — Landlord / ペールエール / アルコール度数4.3%)
- 2. フラーズ — ESB(Fuller’s — ESB / エクストラ・スペシャル・ビター / アルコール度数5.9%)
- 3. リングウッド — オールド・サンパー(Ringwood — Old Thumper / ストロングエール / アルコール度数5.1%)
- 4. ウッドフォーズ — ウェリー(Woodforde’s — Wherry / ベスト・ビター / アルコール度数3.8%)
- 5. フラーズ — ロンドン・プライド(Fuller’s — London Pride / プレミアム・ビター / アルコール度数4.7%)
- イギリスのスーパーでビールを賢く買って美味しく飲むための旅のコツ
- まとめ:イギリスのスーパーは極上エールの宝庫!自分だけのお気に入りを見つけよう
CAMRA(リアルエール保護協会)とは?イギリスの伝統ビールを選ぶ最強の基準
イギリスのスーパーで失敗しないビール選びをするために、絶対に知っておきたいキーワードがあります。それが「CAMRA(カムラ:Campaign for Real Ale)」です。
CAMRAとは、1970年代に工場で大量生産される安価なラガービールから、職人が伝統的な製法で作る本物のエール(リアルエール)の文化を守るために設立された、世界最大級の消費者団体です。
彼らが毎年主催する「グレート・ブリティッシュ・ビア・フェスティバル」の最高賞である「サプリーム・チャンピオン(Supreme Champion:全英最高峰のビール)」に輝いた銘柄は、イギリス人が人生で一度は飲むべきと誇る本物の味。スーパーで何を買うべきか迷ったら、このCAMRAの歴代王者を基準に選べば間違いありません。現地スーパーで手軽に買える5つの伝説的銘柄を見ていきましょう。
イギリスのスーパーで買うべき伝統ビールおすすめ5選:歴代のCAMRA王者たち
1. ティモシー・テイラーズ — ランドロード(Timothy Taylor’s — Landlord / ペールエール / アルコール度数4.3%)

- CAMRA受賞歴:サプリーム・チャンピオン 4回受賞(1982年、1983年、1994年、1999年)
- 特徴とストーリー:コンテストの歴史において、最も多くの栄冠に輝いた伝説のペールエールです。イングランド北部ヨークシャーの老舗醸造所で作られており、イギリスのビール界における「国宝」とも言える存在です。あの歌姫マドンナが「世界で一番大好きなビール」と公言したことでも有名で、イギリスのどのスーパーでも必ず見かける大定番です。
- 味わい:麦芽(モルト)のリッチな甘みとコク、そしてホップのキリッとしたクリーンな苦味が完璧なバランスで調和しています。一口飲むたびに口の中に広がるみずみずしい爽快感と美しい余韻は、まさに職人技の結晶です。
2. フラーズ — ESB(Fuller’s — ESB / エクストラ・スペシャル・ビター / アルコール度数5.9%)
- CAMRA受賞歴:サプリーム・チャンピオン 3回受賞(1978年、1981年、1985年)
- 特徴とストーリー:有名なロンドン・プライド(London Pride)の「兄貴分」にあたる、力強く濃厚なプレミアムエールです。コンテストの初期を完全に支配し、世界中に「ESB(エクストラ・スペシャル・ビター)」というビールのスタイルそのものを定着させたパイオニアでもあります。
- 味わい:スーパーで買えるボトル版の度数は5.9%と少し高め。グラスに注ぐと美しいマホガニー(濃い琥珀色)をしています。カラメルやビスケットのような香ばしさとリッチなコク、さらにマーマレードのような柑橘系の苦味が複雑に絡み合う、大人のための贅沢な1本です。濃厚なチェダーチーズとの相性が抜群です。
3. リングウッド — オールド・サンパー(Ringwood — Old Thumper / ストロングエール / アルコール度数5.1%)
- CAMRA受賞歴:サプリーム・チャンピオン受賞(1988年)
- 特徴とストーリー:イングランド南部、自然豊かなニューフォレストの豊かな自然の中で作られる、イングリッシュ・ストロングエールの代表格(ベンチマーク)です。イギリスのスーパーの棚で探すときは、ラベルに描かれた野生のイノシシのイラストが目印になります。
- 味わい:このビールの最大の特徴は、独自の酵母がもたらす独特のプロファイル。ペッパーのようなスパイシーな香りと、ベリー系のフルーツを思わせるフルーティーな甘みが見事に融合しています。どっしりとした飲み応えがありながら、後味は驚くほどスムーズです。
4. ウッドフォーズ — ウェリー(Woodforde’s — Wherry / ベスト・ビター / アルコール度数3.8%)
- CAMRA受賞歴:サプリーム・チャンピオン受賞(1996年)
- 特徴とストーリー:銘柄名の「ウェリー」とは、東部ノーフォーク地方の美しい水郷地帯をかつて行き交っていた、伝統的な帆船のこと。ボトルのラベルにもその美しい帆船が描かれています。地元のイギリス人から絶大な支持を得ている、ライトで飲みやすいエールの最高傑作です。
- 味わい:アルコール度数は3.8%とかなり低めで爽快な軽さ。口に含むと、フレッシュなホップのシトラス(柑橘系)やフローラルな香りが上品に広がり、その後にみずみずしい麦の甘みが追いかけてきます。旅行中のランチタイムに、サンドイッチなどと一緒に気軽に楽しむ一杯としても最適です。
5. フラーズ — ロンドン・プライド(Fuller’s — London Pride / プレミアム・ビター / アルコール度数4.7%)

- CAMRA受賞歴:サプリーム・チャンピオン受賞(1979年)および各部門賞を多数受賞
- 特徴とストーリー:言わずと知れたロンドンの顔であり、パブ文化を象徴する最高峰のプレミアム・ビターです。街中のパブの看板で最もよく見かける銘柄であり、イギリスのスーパーでも不動のベストセラーとして君臨しています。
- 味わい:信じられないほどスムーズで角のない、究極にバランスの取れたエールです。トフィーやビスケットのような上品なモルトの甘みと、ハーブのような優しいホップの苦味が黄金比率でブレンドされています。尖ったクセが一切ないため、日本のラガービール(アサヒやキリンなど)を普段飲んでいる人でも、すんなり「美味しい!」と感動できる王道の味です。
イギリスのスーパーでビールを賢く買って美味しく飲むための旅のコツ
イギリスビールは味わいそのものが大きな魅力ですが、どうせ飲むなら少しでもお得に、なおかつ最良の状態で飲みたいですよね。スーパーでビールを買う際、私たちがいつもやっているちょっとしたコツをお話ししておきます。
スーパーの割引セール(マルチバイ)を狙おう

テスコやセインズベリーズなどの主要スーパーでビールを買う際は、まとめ買いの割引をチェックしましょう。「3本で6ポンド」などのセールや、アプリの会員証(Tesco Clubcardなど)を提示するだけで割引になる価格設定が多く、色々な銘柄を組み合わせてお得に飲み比べが楽しめます。
私たちもいつもニューミルトンのハイストリートにあるモリソンズかテスコで、3本ずつまとめ買いするようにしています。
ビールをキンキンに冷やしすぎないのが現地流
日本のラガービールは冷蔵庫でキンキンに冷やすのが美味しいですが、イギリスの伝統的なエールは冷やしすぎると、せっかくの豊かな麦のコクやホップの香りが消えてしまいます。最適温度は、ほんのり冷たいくらい(10〜13度)だと思います。
実際スーパーマーケットに並んでいるビールは常温でおかれていることが多く、私たちも常温棚に並んでいるビールから選びます。もちろん、飲む温度は個人の好みですが、あまり冷たすぎるとせっかくの英国エールが十分に味わえなくなってしまうので、注意してみてください。
まとめ:イギリスのスーパーは極上エールの宝庫!自分だけのお気に入りを見つけよう
イギリスのスーパーマーケットのビール売り場は、ただの買い物スポットではなく、長い歴史を持つ英国ビール文化に手軽に触れられる最高のエンターテインメント空間です。
今回ご紹介した5つのCAMRA受賞銘柄は、どれもイギリス人が自信を持っておすすめする本物の味ばかり。滞在中にテスコやセインズベリーズなどの棚で見かけたら、ぜひいくつかのボトルを手に取って、ホテルの部屋で贅沢な飲み比べを楽しんでみてください。
パブに行く前の予習としてはもちろん、旅の素晴らしい思い出になるお気に入りの1本がきっと見つかるはずです。それでは、本場の味に乾杯(Cheers)!
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