世界中のダイバーが「最後の秘境」と憧れる、インドネシアの極上の海「ラジャ・アンパット(Raja Ampat)」。 「ダイビングのライセンスがないと楽しめないのでは?」と思っている方も多いかもしれませんが、断言します。ラジャ・アンパットはシュノーケリングだけでも100%、いや200%遊び尽くせます! 実際に私はダイビングを一切せず、シュノーケリング専門の個人旅行者として、これまでにラジャ・アンパットへ4回も通い詰めてしまいました。
個人手配でラジャ・アンパットを旅する際、もっともHandy(便利で手軽)な拠点となるのが「クリ島(Kri Island)」です。 通常、シュノーケラー単独でボートをチャーターすると高額な費用がかかるラジャですが、自社ボートを持つダイビング対応のゲストハウスを選び、毎朝のダイバー向けボートにスマートに「便乗」させてもらうことで、格安かつ安全に遠方の有名スポットまでを網羅することができます。
この記事では、4回のリピート滞在で辿り着いたクリ島ベースの効率的な滞在ルーティンや宿選び・交渉のコツをはじめ、私が実際にボートとハウスリーフで泳いで比較した全15箇所のシュノーケリングスポット(ケープクリ、ヤンブバJetty、メリッサガーデン、マンタポイントなど)を一挙に徹底レビュー!さらに、現地で見ていて本当に危険だと感じる「素足シュノーケラー」への警告や、ボートマンから流れを聴き出す命に関わる安全対策(インドネシア語フレーズ付き)まで、リアルなノウハウをすべて書き尽くしました。
これから世界最強の海へ個人旅行を計画している方は、ぜひバイブルとして参考にしてくださいね!
なぜ4回ともここ?私が毎回「クリ島(Kri Island)」に滞在する3つの理由

ラジャ・アンパットには数多くの島やホームステイがありますが、私は4回の旅すべてでクリ島(Kri Island)を拠点に選んでいます。シュノーケラーとしてこれほど通い詰めて確信した、クリ島が個人旅行者に圧倒的におすすめな理由は以下の3つです。
1. どこへ行くにも一番アクセスが良い(抜群のロケーション)
クリ島はラジャ・アンパットの主要な有名スポットが集まるエリアの中心に位置しています。伝説の「ケープクリ」や「ヤンブバJetty」がすぐ近くにあるのはもちろん、遠方の有名ポイントへ遠征するにしても、どこへ行くにも一番アクセスが便利で無駄がありません。
2. 宿やショップが多く、コスパの良いプランを見つけやすい
ラジャ・アンパットの他の離島だと、島に1〜2軒しか宿がなく価格が高止まりしていることも珍しくありません。その点、クリ島は宿泊施設やダイブセンターの数が多く、適度な競争原理が働いています。そのため、自分の予算に合ったコストパフォーマンスの高いゲストハウスやツアーを見つけやすいという大きなメリットがあります。
3. 利用者が多いため「乗り合い・ボート便乗」のアレンジが圧倒的にしやすい
個人シュノーケラーにとって一番のネックは、ボートを1隻単独でチャーターする際の手数料や高額な費用です。しかし、クリ島は世界中から集まる旅行者の数が多いため、「明日あのポイントへ行くから、一緒にボートに乗せて(便乗させて)ほしい」と宿で交渉したり、他の旅行者と声を掛け合って人数を集め、「乗り合いボート」で遠征をアレンジしたりすることが非常にイージーです。
「予算は抑えたいけれど、一級品のスポットには網羅して行きたい」というワガママな個人シュノーケラーにとって、これほどHandy(便利・手軽)でサバイバルしやすい環境は他にありません。
個人シュノーケラーがラジャを賢く巡るための「ダイビングボート便乗ハック」

個人でボートをチャーターすると、とにかく高額な費用がかかるラジャ・アンパット。 そこで、予算を抑えつつ最高のスポット(メリッサガーデンやシトラスなど)を網羅するためにはどうするのがもっともコスパがいいのか。
それは、「自社ボートを持っていて、毎日ダイバーを連れて海に出ているゲストハウスを選び、そのダイビングボートに便乗させてもらう」というスタイルです。
私がいつも滞在しているクリ島のホームステイでもそうでしたが、ラジャ・アンパットにはダイブマスターが常駐し、毎朝ダイバー向けにボートを出している宿がいくつかあります。宿にチェックインする際、あるいは事前にメールなどでこう相談してみるわけです。
「その日のダイビングスポットがシュノーケリングも可能な場所なら、いっしょにボートに乗せて連れて行ってほしい」
行き先が深すぎるポイントの場合は「今日はシュノーケリング向きの場所には行かないよ」と言われますが、シュノーケリング適地であれば、ダイバーのスケジュールにシンクロして極上の海へ連れて行ってもらえます。基本的な一日のルーティンはこんな感じです。
- 08:00頃:ボートで宿を出発(行き先によって多少前後します)。
- 午前中:一級品のシュノーケリングスポットを2箇所ハシゴ!
- 【1箇所目】約1時間じっくりシュノーケリング。
- 【水面休憩】:ダイバーの休憩に合わせて、ボートの上で1時間ほどのんびり休憩。
- 【2箇所目】さらに別のスポットで約1時間シュノーケリング。
- お昼頃:ホームステイに戻ってきて、みんなでランチ!
常にすぐ近くでダイバー用のしっかりした船が待機してくれているので、もし「ちょっと疲れたな」「早めに海から上がりたいな」という時でも、船に合図すればすぐに引き上げてもらえるので安心感が違います。
※時期や宿のオーナーの状況(ボートのメンテナンスや体調、ライセンスの状況など)によって、ボートを出せるかどうかは常に変動します。そのため、計画する際は「現在もシュノーケラーを乗せてくれるダイビングボートが稼働しているか」を事前にゲストハウスに直接相談・確認するか、そういった体制が整っている宿を探すのが、ラジャを賢く旅する最大のコツです。
ボートが出ない日は?クオリティが高すぎるハウスリーフと驚きの遭遇
もし宿のボートがタイミング悪く出せない日があっても、「ハズレ日」だと思う必要は一切ありません。クリ島のホームステイ周辺のハウスリーフは、それ自体が信じられないほどハイクオリティなんです。
沖のドロップオフ(深場との境界線)に出て、右にいっても左にいっても、少し泳げば他のゲストハウスのジェッティ(桟橋)が見えてきます。
そのため、「行きは潮の流れに乗ってドロップオフを往復泳ぐ」ということもできれば、「自分の体力に合わせて片道だけ泳いで、帰りはのんびりビーチを歩いて帰ってくる」なんていう、自由気ままなビーチエントリーが楽しめちゃうわけです。
しかも……私は滞在していたホームステイの桟橋のすぐそばで、過去に2回も野生のジュゴンを見ています!
わざわざ遠出しなくても、宿の目の前でジュゴンに会えてしまうポテンシャルが、クリ島の恐ろしいところです!
ラジャアンパット・クリ島ベースで巡った全15スポット完全レビュー!
ここからは、私がこれまでの4回の滞在で実際に泳いだ全15スポットを、エリア別に一挙にレビューしていきまっす!
クリ島周辺・定番エリア(ハウスリーフ含む)
1. クリ島ハウスリーフ(Kri Island House Reef)
クリ島の北側は内海(穏やかな湾)のようになっているため、潮の流れは基本左右にしかありません。沖にゴリゴリ持っていかれる心配が少ないので、初心者でも少し安心してエントリーできるのが嬉しいポイント。 ここのハウスリーフの恐ろしさは、魚影の濃さはもちろん、「生き物たちがなぜか巨大化している」こと。インドネシアの他の海で見る同じ種類の生き物より、一回りも二回りもデカいです(笑)。海に入るたびに、ほぼ毎回ブラックチップシャークやウミガメ、立派なライオンフィッシュ(ミノカサゴ)に出会えます。
2. ケープクリ(Cape Kri)
1回のダイビングで記録された魚の「種数」が世界最多をマークした、伝説のモンスター級スポットです。 リーフの上を気持ちよさそうに泳ぐブラックチップや、視界を埋め尽くすバラクーダの群れは圧巻!まれにマンタ、運が良ければ超巨大なオセアニアマンタ(ナンヨウマンタよりさらに巨大な種)がヌッと現れることもあります。ただし、ここは潮の流れがかなり強くなることが多いので、入るタイミングには十分注意してください。
近隣の島々・ジェッティ(桟橋)周辺エリア
3. ヤンブバJetty(Yenbuba Jetty)
クリ島からすぐ近くにある、初心者にも比較的やさしいスポット。実は干潮時にはクリ島から歩いて渡っていくことも可能です。 ここの見どころは、なんといってもジェッティ(桟橋)の柱の周り!文字通り魚の群れがこれでもかと大混雑していて、圧巻の景色が広がっています。大物のナポレオンフィッシュや、おでこがボコッと出たバンプヘッド・パロットフィッシュ(カンムリブダイ)の巨大な姿、さらには特大のジャイアントクラム(オオジャコガイ)も拝めます。
4. サワンダレック(Sawandarek)
ここはもう、「巨大ウミガメの楽園」です。信じられないほど大きなウミガメが、まるでお家の主のように住み着いています。それだけでなく、サメはもちろん(砂浜の浅いエリアにまで泳いでやってきます)、ギンガメアジ(トラバリ)の巨大なトルネードや、バラクーダの群れがそこら中でぐるぐると回っている、アドレナリンが出っぱなしになるスポットです。ただし、ビーチの端に行けば行くほど流れが強くなるので注意しましょう。
5. アーボレック(Arborek)
桟橋(Jetty)の周辺に、信じられないほどカラフルで生き生きとしたソフトコーラル(柔らかいサンゴ)がびっしりと群生しています。クロコダイルフィッシュや、岩に擬態したスコルピオンフィッシュ(カサゴ)などもここで見つけました。 ただ1つ注意点として、ここは水中にバクテリアが多めなのか、耳の感染症(外耳炎など)になりやすい気がします。泳いだ後はしっかり耳を乾かすなど対策を!
圧巻のコーラル・地形派エリア
6. メリッサガーデン(Melissa’s Garden)
ラジャ・アンパット屈指、いや世界屈指と言っても過言ではない「広大なサンゴの庭園」です。見渡す限り一面に広がるエダサンゴの美しさは、シュノーケリングでもトップクラスに感動します。ただし、ここもかなり流れが強いポイントなので、綺麗だからと油断せずしっかりフィンを蹴りましょう。
7. マイクスポイント(Mike’s Point)
流れが猛烈に強いことで有名な、ダイナミックな地形派スポット。小さな島(岩)の周りをぐるっと1周するようにシュノーケリングします。水中にはまるで通路(Passage)のような洞窟状の地形があり、その壁面や岩肌にはカラフルなソフトコーラルや海綿などの生き物がびっしりと生息していて、見応え抜群です。
8. シトラス(Citrus Wave / Citrus Ridge)
その名の通り、まるで蛍光の黄色や黄緑色の「シトラスカラー」をしたソフトコーラルが、海の底に絨毯のように広がっている幻想的なポイントです。ここは入り江のようになっていて、周辺にはローカルなゲストハウスもポツポツと並んでいます。
9. Meyhem(メイヘム)
英語で「大混乱・大混雑」という意味を持つその名の通り、魚の群れが文字通り大混雑しているポイントです。サンゴの状態がすこぶる良く、あまり一般的なツアーではグイグイ押されない穴場的なスポット。静かにラジャの真髄を楽しめます。
10. Roti(ロティ)
比較的最近になって開拓された新しい穴場スポット。サワンダレックからクリ島へと戻る海岸線の途中に位置しています。ここも手つかずの非常に美しいコーラルが一面に残っており、まだ人が少ないのでゆったりと贅沢な時間を過ごせます。
11. フリーウェンWall(Friwen Wall)
ストンと深海へ落ちるドロップオフの壁(Wall)を泳ぐスポットです。その垂直の壁に、びっしりとカラフルなコーラルが付着していて、まるで海中に描かれた色彩豊かな「油絵」を見ているかのよう!流れは早いことが多いですが、サメや、信じられないほど巨大なバンプヘッドの群れが壁づたいに通り過ぎていきます。
12. ファンWall(Fun Wall)

こちらもドロップオフ沿いを流していく「ドリフトシュノーケリング」のスポット。とにかく綺麗で、美しくカラフルな硬サンゴ・軟サンゴがびっしり!うちわのような形をしたファンコーラル(イソバナ)も多く、水中の万華鏡のなかをぷかぷか流されているような心地よさです。
13. ルーファス(Rufas Island / Wall)
ここは中央に美しいエメラルドグリーンのラグーン(内海)を持つ、絵画のような島です(島に簡易的な宿泊施設もあります)。ラグーンを囲むようにして成す島まわりの外海の壁をシュノーケリングするのですが、運が良いとバンプヘッド(カンムリブダイ)の家族連れが仲良く泳いでいく微笑ましい姿に遭遇できます。
大物狙いエリア
14. マンタポイント(Manta Point) & 15. マンタサンディ(Manta Sandy)
言わずと知れたラジャ・アンパットの代名詞。 実は、マンタはプランクトンを食べるために海の表面近く(水面ギリギリ)を泳いでいることが多い生き物です。そのため、泡を吐きながら深く潜るダイビングよりも、水面にぷかぷか浮いていられるシュノーケリングの方が、むしろ目線が同じになってマンタと一緒に長く並走できたりします! だいたいいつも複数のマンタが優雅に舞っています(ちなみに、規格外の巨大マンタは海底近くの深いところを泳いでいました)。
ただし、ここは「マンタに会えなければ他に見るものがほとんどない」というギャンブル的な要素が強い場所でもあります。スカを食らうとただの濁った虚無の海なので、会えなかった時はかなりがっかりするポイントでもあります。
【超重要】命に関わる!ラジャの強烈な流れに負けないための「フィン」と安全対策
ラジャアンパットの海はとにかくカレント(潮の流れ)が強く、一瞬で景色がぶっ飛ぶようなスピードで流されることも日常茶飯事。世界最高峰の海を安全に楽しむために、以下のポイントだけは絶対に妥協しないでください。
フィン(足ひれ)なしは絶対にNG!とにかく必ず着用を!
信じられないことに、時々ツアーやハウスリーフで「フィンを付けずに素足でシュノーケリングをしている旅行者」を見かけることがあります。いつも見るたびに「本当に危ないな……」とヒヤヒヤさせられます。 ラジャの強烈な潮流の前では、どんなに泳ぎの得意な人でも、人間の素足のキック力なんて全く歯が立ちません。流されたが最後、自力で戻ってくることは不可能です。フィンを「とにかく絶対に」着用して海に入ってください。
「流れに逆らわない」が基本
メリッサガーデンやケープクリ、マイクスポイントなどは、現地のガイドや船長も流れの方向を計算してエントリーさせてくれます。基本は「流れに乗ってぷかぷか進む(ドリフトシュノーケリング)」を意識し、間違っても潮上に逆らって全力で泳ごうとしないでください(一瞬で体力を消耗してしまいます)。
エントリー前に、ボートマンに流れの方向を確認する!
ボートから海に降りる前に、ボートマン(船長やガイド)に潮の流れが「どっちからどっちに向かって流れているのか」を確認しておくと、心構えができるので非常に安心です。インドネシア語でこう聞いてみてください。「Arusnya dari mana ke mana?(アルスニャ ダリ マナ ク マナ? / 流れはどこからどこへ向かってますか?)」ボートマンが指さして教えてくれるので、その流れていく方向を頭に入れてからエントリーしましょう。
ボートを見失わない位置をキープする
並走してくれているボートの船長から見えやすいよう、あまりドロップオフの奥深くに入り込みすぎないこと。少しでも危険や体力の限界を感じたら、無理をせずすぐに水面から大きく手を振って、ボートにピックアップの合図を送りましょう。
まとめ:ラジャアンパットの海を自力で安全に楽しむために
クリ島周辺をはじめ、ラジャ・アンパットの海はどこも一級品ですが、共通して言えるのは「潮の流れ(カレント)が急に変わる、そして強い」ということ。
ボートを出す宿のスタッフや、周りのダイバーたちの指示・アドバイスには必ず従い、決して無理をしないようにしてください。流れが速いときは、ボートにいつでも上がれるよう合図の準備をしておくのが個人シュノーケラーの鉄則です。
ダイビングライセンスを持っていなくても、宿の選び方やボートの相談次第で、これだけ世界最高峰の海を自由自在に遊び尽くすことができます。ぜひ、次の旅の候補にラジャ・アンパットのクリ島を検討してみてはいかがでしょうか?


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