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セントローレンス川に沈んだ村々の記憶を訪ねて。「ロストビレッジミュージアム」完全ガイド

ロストビレッジミュージアム カナダ
ロストビレッジミュージアム

モントリオールから車で約1時間半〜2時間。オンタリオ州コーンウォール近郊にある「ロストビレッジミュージアム(The Lost Villages Museum)」を訪れました。

一見すると、緑豊かな広い敷地に美しい歴史的建造物が点在する静かな野外博物館ですが、ここには「かつて存在し、水底へと沈んだ村々」の切なくも貴重な歴史が保存されています。

今回は、実際に現地を散策して感じた魅力や見どころ、訪問に役立つ施設情報まで詳しくレポートします!

🇬🇧 Read this article in English: Lost Villages Museum: The Complete Guide to Ontario’s Sunken History

1. 「ロストビレッジ(失われた村々)」とは?

1950年代、セントローレンス海路(St. Lawrence Seaway)の建設と大規模な水力発電ダムのプロジェクトに伴い、この地域の地形は大きく姿を変えました。

水力発電用のダム建設によってセントローレンス川の水位が引き上げられた結果、沿岸にあった9つの村と2つの集落が水没することになったのです。

数百世帯に及ぶ人々が住み慣れた家を追われ、新しい街へと移住を余儀なくされました。この時に水没した村々のことを、人々は愛着と哀愁を込めて「ロストビレッジ(The Lost Villages)」と呼んでいます。

かつての村の位置を示す地図
かつての村の位置を示す地図
ロストビレッジミュージアム
ロストビレッジミュージアム

そんな失われた複数の村から移動した当時の建物を集めて展示しているのが、野外博物館「ロストビレッジミュージアム(The Lost Villages Museum)」です。無料で自由に散策できます。

2. 「ロストビレッジ」の記憶を宿す、見ごたえ抜群の展示

敷地内には、水没区域から救出・移築された10棟以上の歴史的建造物が点在しており、まるで19世紀末から20世紀初頭の村へタイムスリップしたかのような体験ができます。中でも特に印象的だったスポットをご紹介します。

アイコニックな赤い駅舎と「失われた線路」

ミュージアムを象徴するアイコニックな赤い駅舎。かつてはここを多くの人が行き交っていました
ミュージアムを象徴するアイコニックな赤い駅舎。かつてはここを多くの人が行き交っていました

ミュージアムのシンボル的な存在とも言えるのが、鮮やかな赤(あるいはえんじ色)の外壁が目を引く鉄道駅舎です。この地域を走っていたグランド・トランク鉄道(Grand Trunk Railway)の駅の一つで、水路建設に伴う水位上昇によって鉄道もルート変更(内陸への移設)が必要となり、かつての線路とともにこの駅舎も役割を終えることになりました。

駅舎の中。かつての村入り口の標識も保存されている
駅舎の中。かつての村入り口の標識も保存されている

この赤い屋根(外壁)の駅舎は、村人たちにとっての交通の要であっただけでなく、村が失われるという歴史的な転換点をも象徴する建物として、特別な意味を持っています。

職人の息遣いが残る「鍛冶屋」

村の生活を支えた鍛冶屋の建物
村の生活を支えた鍛冶屋の建物
鍛冶屋の建物の壁に看板
鍛冶屋の建物の壁に看板

敷地内には、かつて村の生活を陰で支えていた鍛冶屋(Blacksmith Shop)も保存されています。馬の蹄鉄づくりや農具の修理など、村人たちの暮らしに欠かせなかった職人の仕事場や道具類が展示されており、当時の産業や手仕事の歴史を肌で感じることができます。

緩やかなカーブを描くチェアーが美しい「教会」

失われた教会のひとつ
失われた教会のひとつ
中央に向かって緩やかにカーブする木製ベンチが印象的な教会内部
中央に向かって緩やかにカーブする木製ベンチが印象的な教会内部

特に印象的だったのが教会の内部です。聖堂内に足を踏み入れると、木製の礼拝用ベンチ(ピュー)が中央の通路に向かって緩やかなカーブを描くように配置されています。直線的に並ぶ一般的な教会のベンチとは異なり、包み込むような独特の温かみと美しさがあり、当時の丁寧な建築美を感じられる見どころの一つです。

レトロな教室と当時の生活空間

教室の建物
教室の建物
当時の雰囲気が色濃く残る教室
当時の雰囲気が色濃く残る教室

旧校舎の中に一歩足を踏み入れると、木のデスクや黒板、中央に置かれた大きなストーブなど、昔の子供たちが学んでいた風景がそのまま残されています。

当時の生活が伺える商店や納屋

商店の建物の中には、ギフトショップがはいっている
商店の建物の中には、ギフトショップがはいっている
毎日の仕事で使われていた道具がところ狭しと展示されている納屋
毎日の仕事で使われていた道具がところ狭しと展示されている納屋

現在はギフトショップとして営業されている商店の建物や、ところ狭しと農具がおかれた納屋など、建物それぞれに個性があって見ごたえ抜群でした。

3. 施設情報&訪問時のアドバイス

現地を訪れる際に知っておくと便利な設備やポイントをまとめました。

  • 休憩・ピクニックエリア: 敷地内には屋根付きのピクニックテーブルやベンチが用意されています。風が心地よく、散策の合間に一息つくのにぴったりです。
  • ショップ: 地元の歴史に関する書籍や関連グッズを購入できるギフトショップがあります。
  • お手洗い: 敷地内に公衆トイレが設置されているので、長時間の見学でも安心です。
  • 所要時間の目安: 敷地が広く建物やパネル展示も充実しているため、じっくり見て回るなら1時間半〜2時間程度みておくのがおすすめです。
ピクニックテーブルは屋外のほかに、屋根付きパビリオンにもあります
ピクニックテーブルは屋外のほかに、屋根付きパビリオンにもあります
車イスでも利用できるトイレがあります
車イスでも利用できるトイレがあります

4. まとめ:コーンウォールに行ったら必ず立ち寄りたい場所

ロストビレッジミュージアムは、単なる美しい野外博物館ではなく、地域の人々が大切にしてきた「故郷の記憶」を今に伝える貴重な場所でした。

現在も継続して私たちの生活を支えてくれているダム建設で、村が沈んでしまうのはさみしいことですが、こんなふうにコミュニティとして保存できるものを保存し、後世に伝えていく姿勢はすばらしいなと思いました。

モントリオールからのドライブ旅行や、コーンウォール周辺を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。セントローレンス川の歴史をより深く知ることができる、おすすめのスポットです!

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