ビエンチャンからルアンパバーンまで高速列車で移動しました。
ラオスの高速鉄道は、一年ほど前に開通しています。
今回はビエンチャンからルアンパバーンまで、この鉄道を利用してみたので、その体験談をシェアしておきます。
ラオス中国鉄道の開通
ラオスのビエンチャンと中国との国境の街ボーテンまでを結ぶ鉄道が2021年に開通しました。
中国雲南省シーサンパンナからタイのバンコクまでを結ぶ計画です。
「高速鉄道」と呼ばれていますが、実際の速度は時速120kmから160kmにすぎません。
それでも、今回私たちが利用したビエンチャン−ルアンパバーン間は、バスで移動すると11時間かかります。
それがラオス中国鉄道なら、2時間から3時間で到着するのですから、スーパーハイテクといってよいでしょう。
ビエンチャンからルアンパバーンまでの鉄道
今の時点で、ビエンチャンからの列車は一日3便運行しているようです。私たちは午前8時の普通列車に乗ることにしました。
スピードは遅いですが、バスよりははるかに速く移動できます。しかも高速列車より若干安い順のです。
ビエンチャンでの切符購入方法
2022年12月より、鉄道切符のオンライン購入が可能になるという情報がありましたが、今のところまだ現実化しておりません。
ビエンチャンでの切符を購入するには、市中心から13km以上離れた鉄道駅に行くか、街中にあるビエンチャンセンターの中のチケットオフィスで買います。
旅行者にとっての問題は、支払い方法です。
ビエンチャンセンターで購入する場合、クレジットカードも現金も使えません。いわゆる「トランスファー」と表記されますが、QRコード決済のOnePayのみになります。
これを利用するにはラオスの銀行にアカウントがないとダメなようで、外国人旅行者の場合、旅行代理店で手配してもらうのが速いです。
ところが、最近はビエンチャンセンターのチケットオフィス窓口で、OnePayが使えない外国人旅行者のために支払い代行を商売にしている人がいます。
このサービスを利用すれば、外国人旅行者も旅行代理店を通さず自分でチケットを取ることができます。私たちも今回この方法でチケットを取りました。
ビエンチャンセンターで鉄道切符を購入してみた
ビエンチャンセンターのチケットオフィスは、午前10時から12時、午後13時から15時半まで営業しています。
鉄道切符は二日前にならないと販売開始されません。
ビエンチャンセンターのチケットオフィス前には、開店前から行列ができていました。
私たちがチケットオフィスに行ったのは、開店前の朝9時半頃でしたが、すでに上の画像のように人々が並んでいました。
チケットオフィスは小さなブースで、中には女性が一人働いているだけです。10時に開店してから行列はジリジリ進み、10時半になってやっと私たちの番になりました。
行列が進み前の方へ進んでいくと、窓口の横にぴったりくっついて立っている男性に気づきます。この人が支払い代行してくれる人なのです。
いよいよ次が私たちの番という段階になったとき、この男性に話しかけました支払い代行の手数料は切符一枚あたり30,000キープだといいます。最終的には複数枚の購入で割引してもらったので交渉してみてください。
ブースの中の女性に、利用したい鉄道の便と切符の枚数を伝えます。パスポートの提示を求められます。
そして切符が発行されると、QRコードを提示されます。支払い代行の男性がそのQRコードをスマホで読み取って決済完了となります。
あとは切符の代金に手数料を上乗せした金額を男性に現金で支払って終了です。
切符には車両番号、座席番号、名前とパスポート番号などが印字されています。
ビエンチャン鉄道駅までの移動
鉄道駅に入る際にはセキュリティチェックがあり、プラットフォームへのアクセスは列車出発時刻の7分前までとなっているので、時間に余裕をもって駅へ向かいましょう。
ビエンチャン鉄道駅までの行き方は、シティバス、タクシー、トゥクトゥクタクシーなどの方法になります。
シティバスは、タラートサオ(市場)から出ている29番バスだと聞いていますが、タイムスケジュールは不明です。
市中心のホテルからタクシーを手配してもらう場合、200,000〜250,000キープが相場のようです。また、ビエンチャンでは配車アプリのLocaが普及してきているようなので、これを試してもいいかもしれません。
私たちはトゥクトゥクタクシー使ったのですが、世界的に評判の悪いトゥクトゥクタクシーですから、当然一筋縄では行きませんでした。
まず、ゲストハウスの受付で、紙切れに「ルアンパバーン行きの鉄道駅」をラオス語で書いてもらいました。
当日の朝、流しのトゥクトゥクドライバーを捕まえて、ラオス語で行き先が書かれた紙を見せます。そして「鉄道駅まで、二人で100,000キープ」と交渉。
運転手がうなずいたので、そのまま乗り込みました。しかし、運転中右に曲がらなくてはいけない交差点で右折する気配のないのに疑問を感じ、後ろからトントンとドライバーの肩を叩きます。
どうも彼は行き先を勘違いしている(ふりをしている)らしく、すっとぼけた顔をするのです。それで、「これはダメだ」と思い、路肩に停車させました。
再び先ほどの行き先を書いた紙を見せると、やっと今納得、という雰囲気で、「じゃあ100,000では無理だよ。遠いから」と言い出すお決まりのパターン。
私たちは「話が違う」と憤慨したふりをしてトゥクトゥクを降りました。するとドライバーは慌てて「いくら?」と声をかけてきます。
最終的に、鉄道駅まで二人で120,000キープで了解して、目的地の鉄道駅まで送り届けてもらったのです。
いろいろな情報を総合すると、ビエンチャン市中心から鉄道駅までトゥクトゥクで行く場合の相場は、120,000〜150,000キープくらいだと思います。
ルアンパバーン行きの列車に乗ってみた
私たちが乗ったのは高速列車ではなく普通列車の方です。それでもビエンチャンからルアンパバーンまで3時間ですので、バスに乗ることを思えばはるかに速いです。
午前8時ビエンチャンを出発する普通列車に乗ってみました。
駅に着いたのはあさ7時20分頃。小さな入り口で、乗車券とパスポートを見せて駅構内に入ります。
荷物のセキュリティチェックと女性スタッフによる、簡単なボディチェックがあります。
駅構内はがらんとしています。駅そのものが新しいので、周囲にも何も建物らしきものはほとんど見かけません。
駅構内の正面には掲示板があり、当日の便が表示されています。
プラットフォームは時間にならないと開きません。待合室には列車番号が提示されているので、それに従って改札が始まるのを待ちます。
しばらくするとラオス語と中国語、英語でアナウンスがあり、改札が始まることが告げられました。改札口にはみるみるうちに長蛇の列ができます。
改札が始まると人の流れはスムーズで、乗車券のチェックのみでプラットフォームに入ることができました。
私たちの列車は3番ホームだったので、階段を降りて上がって移動しました。
3番ホームに行くと列車はすでにホーム停まっていて、車両番号に従って列車に乗り込みます。座席番号を確認し、荷物を上の荷物ラックにのせましょう。
列車にはトイレ、洗面台、給湯器などが設置されています。ペプシやバンミーサンドイッチの車内販売もありました。
列車は定刻に出発。
田園風景のあと、カルスト地形の中を進みますが、後半はトンネルが多いため景色を楽しむ雰囲気でもありません。
座席は私たちの便では「硬座」と言われるハードシート(セカンドクラス)しか選べませんでした。片側2列、3列の硬い座席ですべて向かい合わせのボックス席になりますが、十分快適です。
ルアンパバーン到着と街中心への移動
ルアンパバーンには午前10時45分頃到着しました。
真新しい駅を出て階段を降りたところに、市中心までの乗合バス乗り場があります。
市中心までは一人35,000キープの固定価格です。チケット販売デスクがあるのでそこでチケットを購入しましょう。
チケットを買ってミニバスがたくさん並んでいるところに向かうと、どのミニバスに乗ればいいのか指さして教えてくれます。
ミニバスは乗客でいっぱいになると発車しますが、たくさん乗客が駅から出て来ているので、あっという間に席が埋まりました。街の中心までの所要時間は約35分でした。
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