ラオス南部の中心都市パクセー(Pakse)から、カンボジア国境にほど近いメコン川に浮かぶ無数の島々「シーパンドン(シーパンドン / 4000 Islands)」へ。ここは「4千の島々」を意味する言葉の通り、ゆったりとした時間が流れるメコンの中洲エリアで、特に欧米人のバックパッカーから絶大な人気を集める隠れ家のような楽園です。
しかし、パクセーからこの楽園への移動には、個人旅行者を狙った「お約束のトラブル」が潜んでいます。私たちはパクセーのホテルでボート代込みのツーリストバスを予約したのですが、いざ島へ渡る船着場に到着すると、船頭から不当な二重請求を迫られることに…。この記事では、パクセーからシーパンドン(ドン・コーン / Don Khong)への詳しいアクセス方法や料金目安、そして現地で実際に遭遇したぼったくりの手口とそれを賢く切り抜けた撃退法を徹底解説します!
シーパンドン移動クイックサマリー
- 移動の選択肢: 自力で南バスターミナルへ行きソンテウ(乗合タクシー)に乗る方法(約80,000 Kip〜)もありますが、街中心部からバスターミナルへの移動費を考えると、ホテル発の「ボート代込みツーリストバス」を利用するのが結果的に一番楽でコスパも良いです。
- 目指す「島」の名前に注意: シーパンドンには、北部にある最も大きな島「ドン・コーン(Don Khong)」と、南部にあるバックパッカー拠点の「ドン・コーン(Don Khone)」という、非常に紛らわしい名前の島があります。ドライバーや船頭に行き先を伝える際は要注意です。
- 最大の注意点: 船着場で「ボート代は含まれていない」と言われるトラブルが多発しています。購入したチケットの半券は、島に上陸するまで絶対に手放してはいけません。
1. パクセーでのツーリストバス予約と料金

パクセーからシーパンドンへ向かうにあたり、私たちは宿泊していた「Alisa Guesthouse」の隣にある「Lankham Hotel(ランカムホテル)」でバスチケットを手配しました。こちらの方が若干運賃が安かったためです。

シーパンドンにはいくつか滞在拠点の島があり、どこへ行くかによって料金が少し異なります。私たちが目指したのは、エリア北部にある一番大きな島、ドン・コーン(Don Khong)です。
- 購入したチケット: ドン・コーン(Don Khong)行き(対岸からのボート料金込み)
- 料金: 1人 140,000 Kip
パクセーの西側にある「Chitpasong Bus Station(チットパソン・バスターミナル)」からも直接バスは出ていますが、ホテル前まで迎えに来てくれる「ピックアップ付き」でも価格は変わらなかったため、ホテルで予約するのが確実です。

2. ピックアップからバスターミナル出発までのリアルな流れ

当日の朝のタイムラインは以下のような流れでした。東南アジアのローカル移動らしく、気長に待つ心構えが必要です。
- 08:00 – ホテル前で待機。ホテルのスタッフから「君たちは最後のグループだからバスが来るのは8:20頃になるよ」と言われ、コーヒーを飲みながら待つ。
- 08:25 – ピックアップのミニバンが到着。車内にはすでに数人の欧米人旅行者が乗っていました。「これで出発か」と思いきや、バスはその後も街をぐるぐると回り、他の乗客を次々に拾っていきます。
- 08:50 – 結局、パクセー西側の「チットパソン・バスターミナル」に到着。ここで全員一旦車を降ろされ、別の同じようなミニバン(11人乗り)へ乗り換えるように指示されます
- 09:00 – 満席のミニバンがようやくバスターミナルを出発!ちなみに車内を見渡すと、アジア人の乗客は運転手を除いて私一人だけ。他はすべて欧米人のバックパッカーでした。

3. ミニバンでの移動と「行き先の再確認」
バスターミナルを出発して1時間ほど走ったところで、一度トイレ休憩が入ります。

特に私たちが目指した「ドン・コーン(Don Khong)」は、南部の有名なドン・デット(Don Det)の隣にある「ドン・コーン(Don Kone)」と発音が酷似しているため、間違えられやすいです。ドン・コーン(Don Khong)への渡船が出るのは「Hat Xai Khun(ハッサイクン)」という町なので、この地名を出して確認すると間違いありません。
ここでのワンポイントアドバイス: この休憩のタイミングで、必ずドライバーに自分の行き先の「島」を再確認しておきましょう。シーパンドンはエリアが広く、目的地によってボートが出る船着場やルートが分かれるからです。
4. 船着場(ハッサイクン)での押し問答!ぼったくり手口の撃退法
予定では午前10時に船着場に着くはずでしたが、ローカルのガタガタ道を進み、実際に到着したのは大幅に遅れた午前11時でした。
しかも、ドライバーは船着場ではなく、そこへ続く手前の分岐点(幹線道路沿い)で私たちを降ろそうとしたのです。「船着き場まで連れて行く契約のはずだ」と粘り強く交渉し、しぶしぶ1km弱の悪路を走らせて本来の船着場まで送らせました。ここで降りてしまうと、ボートの船頭に「ボート代込みの客だ」と運転手から引き継いでもらえなくなるため、意地でも譲ってはいけません。
「ボート代は別だ」お決まりの二重請求トラブル

ハッサイクンの船着場はとても小さく、待っていたのはひらひらと翻りそうな心もとない小舟でした。 船頭の男性はフランス語ができるということで、夫のクリスがフランス語で会話をしながら荷物を積み込み、パクセーで渡されたチケットを見せました。すると、そのチケットを見るなり船頭はこう言ったのです。
「あぁ、このチケットじゃボート代は含まれてないよ。別料金だ」

まさに、旅行者を狙った典型的なぼったくりの手口です。最初から予想していた展開だったので、クリスは一切取り乱さず、冷静に「じゃあ、このチケットを購入したパクセーのホテルに今すぐ電話して確認してくれ」と言い放ちました。
船頭は最初はわけのわからない番号にかけたりしてグダグダと15分ほど押し問答を続け、時間を引き延ばして私たちが諦めてお金を払うのを待っていましたが、私たちが「1キップも譲らない」という強い態度を崩さないのを見ると、諦めたように「OK、OK」と言ってエンジンをかけました。 (その後、しっかりボートツアーの営業を喋り倒してくるあたりは商魂たくましい限りですが、笑)
損をしないための3つのチェックリスト:シーパンドン移動編
パクセーからシーパンドンへの移動で、不当な追加料金を払ったり、トラブルに巻き込まれたりしないために、出発前に必ず以下の3点を確認してください。
1. チケットに「ボート代」が含まれているか徹底確認
最も多いトラブルが、船着場で「ボート代は別だ」と言われ、二重に支払わされるケースです。
対策: チケット購入時に、必ず "Including boat to Don Khong"(島までのボート代込み)であることを念押しし、チケットの表面にその旨をスタッフに手書きでもいいので英語とラオス語で明記してもらいましょう。
2. チケットの「半券(控え)」を島に着くまで絶対に捨てない
バスからボートへ乗り換える際、パクセーで渡された小さな紙切れが「ボートの乗船券」を兼ねていることがほとんどです。
対策: 最終目的地の島(ドン・コーンやドン・デット)の土を踏むまで、チケットの半券やレシートは絶対に捨てずに手元に保管してください。バスを降りる際、回収しようとするスタッフがいたら「ボートで必要だから」と言って断るか、最悪スマホで写真を撮っておくのが賢明です。
3. 相手の引き延ばし戦術に折れず、毅然とした態度を貫く
彼らは旅行者が「揉めるのが面倒だから」「時間がもったいないから」とお金を払ってしまうのを狙っています。
対策: 「ホテルに確認して」「警察を呼んで」など、正論を冷静に突き通してください。こちらが絶対に折れないと分かれば、彼らはしぶしぶ引き下がります。
コーン島(Don Khong)に到着!

ハッサイクンの船着場から対岸のドン・コーン(Don Khong)へメコン川を渡るボートの適正価格は、地元の人によると本来10,000〜20,000 Kip程度とのこと。たったそれだけの金額のために、旅行者から二重に巻き上げようとするのが現地の厳しい現実です。
「またこの島を出るときに、同じような渡船の価格交渉をしなきゃいけないのか……」とうんざりしかけましたが、ありがたいことにドン・コーンの南部には対岸へと架かる立派な橋が完成していました。島を離れる際は船に乗らず、陸路でスマートに脱出できそうです。
とはいえ、到着早々のぼったくり未遂で少し疲れてしまった私たちは、このシーパンドンを予定よりも早めに切り上げることを決意するのでした…(苦笑)。

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