ブルガリア北東部に位置し、蛇行するヤントラ川と切り立った断崖に挟まれた美しい街、ヴェリコ・タルノヴォ(Veliko Tarnovo)。紀元前3000年紀にまで遡る長い歴史を持ち、12〜14世紀には「第二次ブルガリア帝国」の首都として栄華を極めた、ブルガリアの歴史ロマンが詰まった古都です。
現在は山肌に古い家々が並ぶ美しい景観から、バックパッカーや個人旅行者に大人気の観光地となっています。私たちはここに2泊滞在し、徒歩でじっくりと街を巡りました。実際の街歩きで見つけた主要な見どころ、入場料、役立つ観光のアドバイスをリアルな体験談とともに完全ガイドします!
旅人に役立つヴェリコ・タルノヴォ基本情報
- 人口: 約70,000人(ヴェリコ・タルノヴォ州の州都)。
- おすすめの滞在日数: 主要な要塞や教会、古い街並みを網羅し、ローカルグルメを堪能するには「2泊」がベストな長さです。
- アプリの準備: 街は階段や細い路地が多く、高低差が激しいため、GoogleマップよりもMaps.me(オフラインマップ)の方が正確に歩行者用の道をナビゲートしてくれます。
ヴェリコ・タルノヴォ(Veliko Tarnovo)について

ヴェリコ・タルノヴォ(Veliko Tarnovo)はブルガリア北東部の町で、ヴェリコ・タルノヴォ州の州都です。ヤントラ川沿いに広がるこの街の人口は約7万人(2021年)。
ヴェリコ・タルノヴォはブルガリアで最も古い街の一つであり、人の定住痕跡は紀元前3千年紀のものが確認されています。12世紀から14世紀には、ブルガリア帝国の首都として栄えました。その歴史的建造物は重要な観光資源となっています。
圧倒的なスケールを誇る2大要塞
ツァレヴェツ要塞(Tsarevets Fortress)

- 入場料: 1人 10 Lev(約800円)。
- トイレ: 敷地内に有料(1 Lev)のトイレがあります。
- 撮影のコツ: 入り口となるメインの西門は、午後になると太陽の光が綺麗に当たるため、絶好のシャッターチャンスになります!
海抜206mのツァレヴェツ丘にある要塞です。この地域には紀元前2千年紀から人が定住していた跡が認められています。要塞の建築が始まったのは12世紀で、その後1393年にオスマン帝国によって完全に征服されるまで、第二ブルガリア帝国の防波堤として重要な役割をになっていました。
要塞には、北、南、西に3つの入口があり、正面ゲートは西向きになります。観光客もここから入場します。そのため、正面ゲートからの写真撮影は午後がおすすめです。

城壁の中には、王宮や処刑場、教会、戦闘塔など、複数の建物が含まれた複合施設であり、今日、その基礎を確認することができます。

オスマン帝国によって焼き払われたツァレヴェッツ要塞は、1930年から修復が開始されました。現在は観光地としてよく整備されており、歩きやすくなっています。英語での説明表記がもっと増えるとありがたいのですが、主要建物に近づくと、ブルガリア語と英語の音声解説が自動的に流れます。ツァレヴェッツ要塞の入場料は一人10月レフ。中にあるトイレは有料で一人1レフ徴収されます。
キリスト昇天大聖堂(Ascension Cathedral)

ツァレヴェツの丘の最頂部に堂々とそびえ立つ大聖堂です。1985年に再建されたもので、最大の見どころは内部に描かれた現代アートスタイルのフレスコ画(壁画)。伝統的な宗教画とは一線を画す、ダークで力強い独特のタッチでブルガリアの歴史が描かれており、息をのむ迫力があります。

また、教会の後ろ側には展望台までのエレベーターが設置されているようですが、私たちが訪問したときは閉まっていました。別途追加料金が必要です。
ボールドウィンの塔 (Baldwin’s Tower)

1930年に、中世の防衛塔を現代風に解釈して再建された石造りの塔です。階段で最上部まで登ることができ、そこから眺める城壁の連なりと周囲の峡谷の景色はまさに絶景です。
トラペジツァ要塞(Trapezitsa Fortress)

ツァレヴェッツ要塞の反対側、トラペジツァ丘の上に建てられた中世の要塞です。
この地域には、紀元前4千年(金石器時代)の集落の痕跡が見つかっており、青銅器時代から初期鉄器時代にかけては、トラキア人の定住が認められています。要塞として完成されたのは、13世紀から14世紀の第二ブルガリア帝国時代と考えられています。タルノヴォがブルガリア首都であった時代、ツァレヴェッツの次に重要な要塞でした。観光客が少なく、静かに歴史に浸りたい人におすすめです。
旧市街に点在する歴史ある教会とモニュメント
聖四十殉教者教会 (Holy Forty Martyrs Church)

ツァレヴェツ要塞のふもとにある聖四十人殉教者教会(入場料:6 Lev)は、1230年に建てられた東方正教会の歴史ある建物です。
聖ゲオルギウス教会(Saint George church)

聖四十殉教者教会 (Holy Forty Martyrs Church)のすぐ近くにあります。1230年建設された、小さな東方正教会です。ブドウの蔓が壁を這うシンプルな建物の中には、古いフラスコ画が残されています。

通常はガイド同伴でなければ中に入れないようですが、私たちが訪れたときは偶然他の旅行者がガイドを伴って入場しており、どさくさにまぎれて中に入ることができました。
司教の橋(Bishop’s Bridge) & 聖ディミトリオス教会

遠目には木造橋に見えるこの橋は、市内で最も古い橋の一つです。土台は石で造られているので、完全に木造ではありません。タルノヴォ司教の資金により、1774年に完成しました。ツァレヴェツ要塞とトラペジツァ要塞を繋ぐ橋でもあり、かつてはアルバナシ村への唯一の道でした。

石とレンガを交互に配置するデザインで建てられた美しい教会です。最近修復されました。この教会もガイド無しで中に入ることはできません。残念ながら、今回は、外から写真を撮るだけでした。
ブルガリアの母の像 (Monument of Mother Bulgaria)

市役所の近くにある「ブルガリアの母の記念碑」は、ロシア・トルコ戦争、セルビア・ブルガリア戦争、バルカン半島戦争および第一次世界大戦におけるブルガリア人犠牲者を追悼するために建てられました。
「母なるブルガリア」像の周辺には小さな庭園が整備されています。市議会の近くでもあり、街のシンボル的彫像となっています。
マリア生誕大聖堂教会(Nativity of Mary Cathedral)

「ブルガリアの母の記念碑」から旧市街へ向かう途中にあるのが、市内で最も古い大聖堂の一つ、「マリア生誕大聖堂教会(Nativity of Mary Cathedral)」です。ここにもともとあった古い教会の跡に、1844年に建てられました。独特のカーブに装飾されたアーチが特徴的です。
アルバナシ(Arbanasi)村へのハイキング

アルバナシ(Arbanasi)は、ヴェリコ・タルノヴォの北東にある小さな村です。ここにも歴史的建造物が点在しています。
宿泊施設もあるので村に滞在することもできますが、ヴェリコ・タルノヴォ北の自動車道からアルバナシまでのハイキングルートがあり、日帰りで訪れることもできます。ハイキングルートは、Maps.meの方に詳しく表示されているので、そちらを参照してみてください。私にはいささか急勾配過ぎて、アルバナシの村まで歩いて上るのは断念しました。
実際に泊まった宿&格安レストランのリアルレビュー
宿泊:ファミリー ホテル ヴァルシャ(Family Hotel Varusha)

ヴェリコ・タルノヴォでは、Family Hotel Varushaに宿泊しました。家族経営のアットホームなゲストハウスです。

WiFiは各フロアにルーターがありますが、たまたま私たちが泊まっていた2階のルーターが壊れていてネット接続がショボかったことと、クリスがシャワーを浴びている最中に水道供給が止まったことを除いては、素敵な滞在地でした。
グルメ:メハナ ティヒヤト クト(Mehana Tihiyat kut)

ヴェリコ・タルノヴォでの食事は、Mehana Tihiyat kutを利用しました。シンプルな料理が中心ですが、この街のツーリストエリアにあって、お手頃価格でした。

ドラフトビール500mlが4レフ以下で飲めるのもうれしい。スタッフは英語も上手です。
次の旅:陸路で国境を越えてルーマニアへ
ヴェリコ・タルノヴォの美しい山並みを堪能した後は、陸路で国境を越えてルーマニアへと進むのがバックパッカーの王道ルートです。
次の記事では、私たちが実際に体験した「ヴェリコ・タルノヴォから国際列車(鉄道)を使って、ルーマニアの首都ブカレストへ自力で移動する方法」を徹底解説します。難解な駅のホームの謎や、国境でのパスポートコントロールなど、次の旅に直結する情報をまとめました!
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