ブログの投稿にはアフィリエイト広告、およびアドセンス広告が含まれる場合があります。

トルコからブルガリアへ陸路で国境越え:エディルネ、カピクレ(Kapıkule)からプロブディフ(Provdiv)まで

トルコ

トルコからブルガリアへ国境越えしました。トルコとEU諸国との間にある大きな国境です。それだけによく整備されているだろうとも考えたのですが、実際には思っていたほどスムーズではありませんでした。

トルコの国境都市エディルネ(Edirne)から、カピクレ(Kapıkule)国境チェックポイントを通過して、ブルガリアのプロブディフ(Plovdiv)まで移動しました。

エディルネ(Edirne)からブルガリアへの国境越え

Kapıkule国境から見るブルガリアイミグレーション

トルコからブルガリアへの国境越えで今回通過したのは、トルコのエディルネからアクセスできるカピクレ(Kapıkule)国境ポイントです。トルコとEU諸国の間に横たわる国境として、交通量の大きな国境となっています。

折しも、私たちが国境越えしたのは8月26日の土曜日で、夏休み最後の週末でした。そのため、バケーション帰りの人々が多く、たいへん混雑することが予想されたため、できるだけ朝早くにエディルネの街を出発することにしたのです。

なお、詳しくは後述しますが、この国境は基本的に車両で通過する必要があります。歩いて国境を越えることはできません。そこを歩いて越えようとしたのが私たちですが、幸運が重なりうまく国境越えすることができました。

思いのほか苦労したのは、前日に宿泊したエディルネのホテルで、突如Wifiがダウン。インターネットで事前リサーチが十分にできなかったのも原因の一つです。まあ、一筋縄ではいかない国境越えだとわかっていたところで、私たちが同じ行為に及んだ可能性は高いのですが…。

エディルネ市内からカピクレ(Kapıkule)国境まで

Kapıkule国境行きのミニバス乗り場

アッソスから一気にエディルネまでやって来た翌日、Kapıkuleチェックポイントからブルガリアへ国境越えすることにしました。

エディルネの街中心からカピクレ国境チェックポイントまでは約20kmです。国境ポイントまではミニバスが頻繁に出ているという話ですが、どのくらいの頻度で出ているのかは不明です。

国境行きミニバス乗り場はエディルネ市内を東西走るアタトゥルック(Atatürk)通りにあり、私たちは宿泊していたホテル付近の乗り場で待つことにしました。カピクレ行きのミニバス乗り場はMap.meに表示されています。

国境行きのミニバスは、ドルムシュ、および市バス乗り場の近くにあるKuveyt Türk銀行前に停まると教えてもらったので、そこで待つことにしました。すぐ横の薬局脇にシミット(大量のごまをまぶしたトルコのドーナツ型パン)を売っているスタンドがあり、そこでシミットを購入しました。

Kapıkule国境行きのミニバス

しばらく待っているとカピクレ行きのミニバスがやってきました。時刻は午前7時40分。国境までは一人25リラです。約20分で国境へ到着しました。国境のすぐ目の前で下車します。

カピクレ国境でトルコ出国

トルコ側イミグレーション

ここで問題発生です。パスポートコントロールの方へ歩いて行こうとしたら、職員に止められました。ここから先は車両しか通行できないということです。つまり、人が歩いて通過することはできないということ。

国境は数メートル先なのに、そこから進むことができません。仕方がないので、国境入口でヒッチハイクです。

交通量は多く、車両通行レーンは狭い通路ですので、通行するほとんどすべての車を止めて「数メートル乗せてください」と声をかけました。しかし、センシティブな国境越えですから、ことごとく断られました。どこの誰ともわからない、何を所持しているかもわからない外国人です。車に乗せたくない気持ちはよくわかりますが、無理矢理にでも乗っけてもらわなくてはなりません。

夏休み帰りでトルコのお土産をどっさり積んだ車や子どもたちで後部座席がいっぱいの車は避けて、空きスペースがありそうな車を狙って交渉しました。

すると、オーストリアナンバーの乗用車を運転するトルコ人男性が停まってくれ、パスポートコントロールまで乗せてくれることになりました。「歩いて渡ることができないこと」、「数メートル先のパスポートコントロールまで車に乗せてもらえればいいこと」をしっかり説明してやっと了解してもらうことができました。

車内から見たトルコ側パスポートコントロール

パスポートコントロールには複数の車両レーンがあります。私たち二人を乗せた運転手は比較的空いているレーンに車をつけました。数分で私たちの番になり、車にを下りてパスポートを審査官に提示しました。ブースについているカメラで写真を撮られ、出国スタンプが押されました。質問は無しでとてもスムーズでした。

トルコ税関でトラブル

トルコ側税関で待機

パスポートコントロールのあとは税関を通りますが、ここでまた問題発生です。私たちに、ではなく、車に乗せてくれたトルコ人男性に、です。

税関も車ごと通ることになりますが、彼の所持品に問題があるのか、書類がきちんと用意できていなかったのか…。ともかく、書類を持って所定のセクションで手続きを行うことになり、税関路肩に車を停め、「10分くらいで戻ってくるから」と言い残し、彼は建物へと入って行きました。

10分くらい、と彼はいいましたが、30分たっても、1時間たっても、彼は戻ってきません。私たちがここで足止めを食う理由はないので、そのまま歩いてブルガリア側のイミグレーションに進んでもよいのですが、歩いて国境を越えた先に、バスやタクシーなどの交通手段があるのかどうかわかりません。せっかくヒッチハイクできて、あわよくばブルガリアのプロブディフまで乗せて行ってもらえたりするんじゃないか、なんて淡い期待を抱いていた矢先のことで、彼を置いてその場を離れるに離れがたい状況だったのです。

そんなふうにヤキモキしながら待っている間に1時間が過ぎたころ、やっと彼が建物から出てくるのが見えました。彼も、車の脇で待っている私たちに気がついたようで、手を挙げて見せました。ところが、彼は今度はパスポートコントロールの前を歩いて横切り、トルコ入国側の税関建物へ入って行ったのです。そしてそのまま待つこと、さらに30分。

トルコ、ブルガリア国境間にある免税店のビル

その間に国境間にある免税店の入ったビルで、手元に残っていたトルコリラをブルガリアレフに両替したりしたのですが、さすがにもうこれ以上は待てないかな、と。後ろ髪を引かれる思いで、彼の車をあとにしました。

ブルガリア国境で入国手続き

免税店の入ったビルを通り過ぎ、歩いてブルガリアの国境へ向かいました。こちら側も当然車両専用のパスポートコントロールで、「歩いて来たのですか」とびっくりされながらも、ちゃんと入国スタンプは押してもらえました。

そしてパスポートコントロールの次の税関で、「プロブディフか最寄りの村まで行くミニバスはありますか」と聞いてみたところ、あっさり「ありません」といわれました。最寄りの街までは15kmほどあるようですが、交通手段はなくて歩いて行くしかないということなのです。

そうなると、再びヒッチハイクするしかありません。最悪の場合でも、そのうちにさっきの税関でトラブルになったトルコ人が税関から開放されて、私たちを乗っけてくれるんじゃないか、なんて冗談を交わしながら、乗せてくれる車を待ちました。

トルコとヨーロッパの間の国境ですから、ヨーロッパナンバーの車が続々と通り過ぎていきます。そんな中、停まってくれたのは、やっぱりトルコ人の運転手でした。

停まってくれた車

トルコ人男性のアリさんと、ブルガリア人女性リナさんの若いカップルです。アリさんは大手航空会社のパイロットで、2日前に成田から戻って来たばかりなのだそうです。

ブルガリア人のリナさんとトルコ人のアリさんといっしょに

リナさんはいったん就職したものの、現在は大学院で金融学の修士課程を学習なのだそうで、経歴も若さもまぶしいお二人でした。

なんども日本を訪問しているアリさんには、「日本人はやさしい」「寿司がおいしい」などと日本のことをべた褒めされまして、きっとこれも何かの縁だったんだな〜なんて、思いました。いえいえ、トルコの人のほうこそ、みんな親切ですよ〜などと話をしているうちにあっという間に時間がたち、途中でブルガリア式エスプレッソをごちそうになり、スナック菓子もお土産にもらったりしているうちに、目的地のプロブディフに到着しました。

プロブディフ到着

プロブディフ到着

そもそも彼らはプロブディフ市内に来る予定ではなく、その先の街へ行くつもりだったのです。でも私たちのためにわざわざ高速を下りて、プロブディフ市中心に近いところで下ろしてくれました。

今までの国境越えの中で、おそらく最もドラマチックで思い出深い体験でした。車に乗せてくれたお二人のトルコ人とブルガリア人女性のおかげで、無事ブルガリアに入国できました。

それにしても、トルコの国境を出る段になってまで、トルコ人の方々に助けられました。まったくもってトルコを離れるのが名残り惜しいですが、前に進まなくてはいけません。ブルガリア、ルーマニア経由でイギリス、カナダ帰国まで、あと一ヶ月です。

コメント