マラトゥア島はカリマンタンの東に浮かぶ小さな島です。私たちはこの島に1週間滞在し、2軒の宿泊施設(ゲストハウス)に宿泊しました。
マラトゥア島はダイビングスポットとして有名な場所ですが、私たちがここに来た目的はシュノーケリングです。マラトゥア島の宿泊施設とシュノーケリングについて素直な感想を書き留めておきます。
マラトゥア(Maratua)島でシュノーケリングできる?
マラトゥア島はカリマンタン東に位置する小さな島です。人口は約2千人ですが、ダイビングスポットとして注目を集めている場所です。
私たちはダイビングはしませんが、この島は環礁(輪っか状に形成されるサンゴ礁)の上にできた島なので、シュノーケリングが楽しめると期待して訪れました。
カリマンタンからマラトゥア島までの間にはデラワン(Derawan)島があり、こちらの方が観光地としてはよく知られているようです。しかし島の周囲約2kmという狭い場所にたくさんの旅行者が押しかけるため非常に混雑しており、シュノーケリングをゆっくり楽しめそうな雰囲気ではないようです。それで今回、デラワンはスキップすることにしました。
一方のマラトゥア島も、ここ数年観光地化が進んでいるようですが、未だ手つかずの自然が豊かで、海洋生物をじっくり観察できるのを期待してやってきたのです。
マラトゥア島の宿泊施設事情
繰り返しになりますが、マラトゥア島はダイビングスポットとして人気が高いため、ダイビングリゾートが多いです。同時にインドネシア人観光客も増加しており、村の中心エリアにはホームステイが多く建ち並んでいました。マラトゥアゲストハウス(Maratua Guesthouse)のオーナーによると、2023年6月現在、マラトゥア島には47の宿泊施設があり、そのうち22軒がリゾートだそうです。
私たちがこれまでに滞在したインドネシアのシュノーケリングスポットと比較した場合のマラトゥア島の宿泊施設の特徴は以下の通り。
- 価格は比較的高い:サービス、クオリティに対するお得感は低め
- エアコン設置率が高い
- 電気は24時間供給される
- インターネット接続の確率は高い(WiFiあるいはTelekomselネットワーク)
- 食事は3食込のパッケージもあるが、街中心にはレストランも多数ある
今回、2箇所の宿泊施設バンガローを利用しましたが、いずれもエアコン完備で電気は24時間ありました。ホットシャワーを備えているところもあり、それを考慮すると宿泊料金が高めなのも当然なのかもしれません。
マラトゥア島の沖合シュノーケリング事情
マラトゥア島に到着した当日中、チェックインしたゲストハウスNouri Cottageに宿泊していたのは私たちだけでした。3日目に移動したMaratua Guesthouseも満室ではなく、目の前の白砂ビーチを独り占め状態!
インドネシア人の裕福層と世界のダイバーには少し知られた場所ですが、私たちのようなシュノーケラーや、ビーチ目的の観光客にはまだまだ知られていない場所なのです。
だから、ひとたびザブンと海に入れば、まるで警戒心のない海亀や熱帯魚、巨大魚に出会うことができます。シュノーケリングでアクセスしやすいエリアのサンゴ礁の状態は、場所によって少々ムラがありますが、スポットに入るとさまざまな種類の美しいサンゴが続きます。もちろん、私たちが滞在したのは1週間ですので、島のすべてを見ることはできませんでした。みなさん自身で美しい見どころを発見してみてください。
ただし、マラトゥア島での沖合シュノーケリングは、潮の満干期に注意が必要です。私たちが滞在したマラトゥア島西岸は沖合になだらかなドロップオフがありますが、そこまでは遠浅の海にサンゴが点在しています(時間帯によっては海亀が見られます)。そのため干潮時にはビーチから泳いでドロップオフまで行くのは難しいです。ドロップオフ近くまで歩いて行ってシュノーケリングすることは可能ですが、サンゴで足を傷つけないよう、水中靴が必要です。
定期スピードボートが着くマラトゥア船着き場の桟橋から海に入ることもできます。ただ、階段の状態がイマイチで、干潮時は海から上がるのに苦労しそうです。
桟橋のすぐ下でも大きな海亀を見ましたが、桟橋の南側にはドロップオフ手前(ビーチ寄り)にラグーンがあり、サンゴ礁が形成され、魚がたくさんいます。ラグーンですので、カレントはほとんど感じられませんでした。
また、ラグーン外側のドロップオフに関しては、桟橋の南側のサンゴ礁が美しいと聞きました。
ただし、桟橋付近はスピードボートが発着するため、注意が必要です。滞在中、私たち以外に付近でシュノーケリングをしている人は皆無でした。BORNEO COTTAGE MARATUA DIVINGのダイブマスターにも、この付近でシュノーケリングをする人は少ないためボートに注意するようにとアドバイスされました。スピードボートはかなりのスピードで航海するため、シュノーケラーに気づくのが遅れる可能性があります。シュノーケリング中であることを知らせるためのブイ(通常は蛍光色)を持参すると少し安心かもしれません。
マラトゥア宿泊施設:ヌリコテージ(Nouri Cottage)のレビュー
マラトゥア島に到着して最初に宿泊したのが、ヌリコテージです。ベラウ(Berau、あるいはタンジュンレデップTanjung Redep)からのスピードボートが着くマラトゥア船着き場から南へ徒歩数分ですが、街の中心部分との間には小さなジャングルがあり、喧騒からの孤立感があります。
バンガローは2軒ずつ隣り合っていて、いずれもビーチに面しています。朝食つきで1泊500,000ルピア。エアコンはありますがシャワーは水シャワーのみ。さらに詳しいレビューはGoogleマップで掲載しています。
バンガロータイプの宿泊施設としてはマラトゥア島の中でも最安値級だと思います。船着き場から近く、満潮時でなければビーチを歩いて桟橋まで行くことができます。ハウスリーフは桟橋の外側から続くリーフになりますが、ビーチから泳ぐのはけっこうな距離がありそうです。
私たちがこの島に上陸したのは、新月のすぐ後で、満潮は午前と午後の7時頃、干潮時は1時頃という、あまりタイミングがよくない時期でした。しかも着いた翌日は風が強く、桟橋付近のラグーンではシュノーケリングしましたが、沖合のドロップオフを見ることなく移動してしまいました。もちろん、ここの沖合ドロップオフもダイビングスポットの一つで、ダイビングボートが泊まっているのを見かけています。
沖合シュノーケリングの他に、ダイビングボートに便乗してシュノーケリングスポットに行くことも考えました。ヌリコテージの隣にはボルネオコテージダイブセンターがあるので聞いてみたのです。しかし、ボートに相乗りする場合、一人350,000ルピアと言われて断念。ブナケン島のパノラマバックパッカーズでは一人50,000ルピア、ウナウナ島のサンクトゥムでも一人100,000ルピアでしたので、かなりの予算オーバーです。それだけガソリンが高いということなのでしょう。
マラトゥア宿泊施設:マラトゥアゲストハウス(Maratua Guesthouse)のレビュー
次に宿泊したのは、船着き場から北へ3kmほど離れたところにあるマラトゥアゲストハウスです。ジャングルビュー(ラグーンビュー)のバンガローは1泊600,000ルピア、シービューバンガローは1泊700,000から750,000ルピアです。食事はアラカルトでも注文できますが、1日3食のパッケージは一人30米ドルで追加できます。
エアコン、扇風機完備で、シービューの部屋にはホットシャワーもあります。バンガローはそれぞれ独立しているため、ヌリコテージに比べるとプライベート感が高いです。さらに詳しいレビューはGoogleマップで。
ここには桟橋はありませんが、ビーチに降りる階段が設けられており、そこから泳いでドロップオフへアクセス可能です。
先にも書きましたが、私たちが滞在した2023年6月下旬、宿泊客は私たちを含めて数組で(7月、8月はほぼ満室だそうです)、きめ細やかな白砂ビーチを独り占め状態でした。
ビーチに沿ってテラスレストランがあり、満潮時にはたくさんの海亀が見られます。運が良ければシービューコテージのバルコニーからマンタレイを見ることも!
ハウスリーフにはさまざまなサンゴ礁があり、めちゃくちゃたくさんの魚と海亀がいます。一度海に入れば、多い時で何十匹もの海亀を見ることもありました。
ドロップオフのカレントは穏やかで、複数の熱帯魚の他に、バンプヘッドフィッシュ(bumpedhead fish)、ライオンフィッシュ、マンタレイ、バラクーダの大群、パッファフィッシュ(puffer fish)、スペイドフィッシュの群れを見ました。船着き場と違って、沖合の船も少ないため安心してシュノーケリングに集中できます。ドロップオフまで行かずとも、浅瀬にもサンゴ礁が育っており、そこに集まる魚や海亀を眺めながら泳ぐこともできます。
マラトゥア島へのアクセス
マラトゥア島へはカリマンタンのベラウ(Berau、あるいはタンジュンレデップTanjung Redep)、もしくはタラカン(Tarakan)からボートで渡ることができます。私たちはベラウからスピードボートで移動しました。
ベラウからの船は基本的に毎日運行しており、島中央の船着き場で発着します。タラカンからは毎週金曜日にマラトゥア行きが、マラトゥアからタラカンへは日曜に出発します。島南部の船着き場(空港近くの船着き場の南にある小さな船着き場)から発着します。
タンジュンバトエ(Tanjung Batoe)からの船もあるようですが、詳細は不明です。
マラトゥア島には空港があり、空路でアクセスすることも可能です。マラトゥアまではスージーエアーが就航しており、便数は少ないですが、サマリンダ、ベラウ、タラカンからのフライトがあります。詳しくは以下の投稿でふれています。
マラトゥア島の過ごし方
ベラウからのスピードボートが着く船着き場は島の中央部分にあり、それに隣接して集落が構成されています。村の中心には複数のゲストハウスやホームステイ、レストラン、売店があります。ATMも1台見かけましたが、国際キャッシュカードは使えなさそうです。
マラトゥア島の飛行場は島の南にあり、そのそばと、さらに南にそれぞれ船着き場があります。南の船着き場からは、タラカン(Tarakan)へのボートが発着しています。
島の西岸に南北へ伸びる道路があり、美しく舗装されています。私たちが宿泊したマラトゥアゲストハウスへはこの道を通ってアクセスでき、さらに北へ向えば高級リゾートが建ち並んでいます。スムーズで非常によい状態の道路です。
レストランは島中央の船着き場周辺に集中していますが、リゾートのレストランを利用することは可能で、その付近にも(たぶん高級)レストランがあるようです。基本的に島の物価は高いので、食事代はその他のインドネシア地域に比べて高めの価格に設定されています。私たちがよく利用したのは、島中央の船着き場に近いRm Rasa Maratuaです。
マラトゥア島のインターネット事情
マラトゥア島は24時間電気が供給されています。街の中心付近には電話塔があり、街中ではテレコムセルのモバイルインターネットが使えました。街を離れるとインターネットに接続できない場所もあります。
ヌリコテージではWiFiは提供されませんでしたが、テレコムセルのモバイルインターネットが室内でも使えました。
マラトゥアゲストハウスでは、室内ではインターネット接続できませんでしたが、レストランエリアではWiFiが提供されていました。
マラトゥア島で海洋生物に出会う
マラトゥア島はサンゴ礁に囲まれた島です。ダイビングスポットは無数にあり、ドロップオフでシュノーケリングすればすぐに熱帯の海洋生物に出会うことができます。
満潮時は泳いでドロップオフまで行くことになりますが、干潮時はその近くまで歩いて行くことができます(靴が必要です)。ビーチに立っているだけでも、海亀が海藻を食べにやってくるのを毎日見かけました。
私たちがこれまでに滞在したインドネシアの他エリアに比べると少々滞在費は高くつきますが、その価値はあったと思います。
今回の滞在では、島の北から西側しかシュノーケリングできていません。その他のエリアはみなさんがご自身で探索してみてください。
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