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アンコールトム(Angkor Thom)観光の見どころ完全ガイド:バイヨンから象のテラスまで巡る実体験記

カンボジア

カンボジア・シェムリアップを訪れるなら、アンコールワットと並んで絶対に外せないのが巨大城砦都市遺跡「アンコールトム(Angkor Thom)」です。神秘的な「クメールの微笑み」で知られるバイヨン寺院をはじめ、壮大な彫刻が施された門やテラスなど、 forested(緑豊かな森)のなかに数々の歴史的見どころが点在しています。

この記事では、3日券を活用してアンコールトムを自転車(サイクリング)で効率よく巡った実体験をもとに、主要な遺跡の見どころや歴史的背景、現地を歩いてわかった実用的なTipsを詳しくご紹介します。

🇬🇧 Read this article in English: Highlights of Angkor Thom: A Practical Guide to the Ancient Khmer Capital

【実用Tips】アンコールトム観光の基本情報

  • 位置: アンコールワットのすぐ北(シェムリアップ街中から約7.5km)
  • 入場料: 通常のアンコール・パスで入場可能(3日券がおすすめ)
  • 敷地の広さ: 一辺約3kmの正方形(内部に見どころが点在)
  • おすすめの移動手段: サイクリング(各遺跡間の移動がとてもスムーズになります)
  • 服装規定: 肩と膝が隠れる服装が必須(寺院のルールが厳格です)

アンコールトム(Angkor Thom)とは?歴史と象徴的な城門の役割

アンコールトムビクトリア大門
アンコールトムビクトリア大門

アンコールトム (Angkor Thom) は、アンコールワットの北に位置する約3km四方のエリアです。アンコールワット寺院であるのに対して、アンコールトムは、高さ8mもあるラテライト製の城壁で囲まれた都市遺跡であり、その周りは幅100mの堀で囲まれています。最盛期には10万もの人口都市であったとされるアンコールトムの「トム(Thom)」は、「大きい」という意味を持っています。アンコール遺跡群として世界遺産に登録されていますが、アンコールトム自体が遺跡複合体となっており、複数の見どころがあります。

地図で見ると、アンコールワットよりもはるかに大きいことが一目瞭然です。ただ、アンコールワットのように敷地内をくまなく見学する必要はなく、点在する見どころを自転車で回るのは容易です。

アンコールトムの建築が開始されたのは1020年、スーリヤヴァルマン1世の時代です。その後、歴代王により継続されましたが、12世紀後期、ジャヤヴァルマン7世がアンコールワットからアンコールトムに首都を遷移して、最盛期を迎え、15世紀前半まで栄え続けました。

勝利の門・死者の門・南門が持つそれぞれの意味

アンコールトムは城郭都市であり、南大門、北大門、西大門、死者の門、勝利の門の5つの城門が置かれています。東側に「勝利の門」「死者の門」という2つの門が置かれているのは、その機能が異なるためでした。

「勝利の門」は、戦いに勝ち凱旋する軍隊を迎えるためのもので、兵士はその先にある「象のテラス」で王の祝福を受けたのです。一方の「死者の門」は、命を落とした兵が通る道でした。その先のバイヨン寺院にて極楽浄土への祈りを受けたのです。

城門の塔には観世音菩薩の彫刻が彫られており印象的です。アンコール遺跡のイメージともいえる、この尊顔は、バイヨン寺院のそれと呼応しています。

それぞれの城門の外にはナーガがあつらえられた橋の欄干に、これを引く阿修羅像が並んでいて、迫力があります。交通量の多い南大門の阿修羅像は修復が進んでいますが、それ以外の城門ではオリジナルな状態に近い像群を見ることができます。

アンコールトム南大門道路わきの彫刻
アンコールトム南大門道路わきの彫刻

都市としてのアンコールトムはヒンドゥーの宇宙観をモチーフに設計されていると考えられており、中央に宇宙の中心であるメール山岳を象徴するバイヨン寺院が置かれています。

バイヨン寺院に垂直にそびえる塔の側面にある巨大な尊顔は「クメールの微笑み」と称されます。その他に象のテラスやライ王のテラスなどの見どころがあるので、じっくり時間をとって見学したいものです。

聖なる中心地:バイヨン(Bayon)寺院と「クメールの微笑み」

アンコールトムの中心にあり、第一に見学したいのがバイヨン寺院です。私たちはシェムリアップに到着したその日、アンコールワットの次にこの寺院を訪問しました。

ジャヤヴァルマン7世の時代に築かれた山岳寺院です。ヒンドゥーの宇宙観を反映した設計で、世界の中心であるメール山を象徴しています。

数々の険しく隆起した山のように林立する塔には四面に巨大な人面像が彫られています。その大きさは2m前後もあり、観世菩薩像の微笑みであるという説が有力ですが、ジャヤーヴァルマン7世が神格化されているとする見方もあります。これらの尊顔は「クメールの微笑み」と呼ばれており、この寺院印象付けています。

バイヨン寺院は高さ約43mの本殿の周りを二重の回廊が囲っている構造ですが、それぞれの要素が密集しており、間にスペースはほぼありません。開放感がありじっくりと巡回させるアンコールワットに対して、いかにもそそりたつ山岳という雰囲気で、むしろ圧迫感すら感じさせられます。

東向きに建てられたこの寺院は、アンコールトムのほぼ中心にあり、十字道路に接続します。その配置は宇宙の中心であるメール山を象徴しています。この北西に王宮が置かれており、アンコールトムにおけるバイヨン寺院の重要度が伺えます。

バプーオン(Baphuon)寺院:壮大な3層のピラミッド型ヒンドゥー遺跡

バプーオン(Baphuon)寺院エントランス
エントランス

バプーオン(Baphuon)寺院は、バイヨン寺院の北西に位置しています。1060年頃、ウダヤーディチャヴァルマン2世によって、シヴァ神に捧げる寺院として建築されました。三層のピラミッド構造になっており、バプーオン様式とも分類されます。

この寺院も規模が大きく威風堂々としているので、ぜひ見学したいところです。

緑の宿る広大な参道と美しいお堀

バプーオン(Baphuon)寺院参橋
参橋

東西425m、南北125mにおよぶ砂岩の周壁に囲まれています。東塔門から伸びる長さ200m、高さ約1mの参道には途中に十字テラスがあり、参拝者を内側の塔門へといざないます。

バプーオン(Baphuon)寺院参橋
参橋

寺院から参道を見返すと十字通路になっていることがよくわかります。

バプーオン(Baphuon)寺院堀

参道の脇には堀が造られており、水面にジャングルの緑が反映していました。

急勾配の階段を登って中央聖所(最上層)へ

バプーオン寺院
バプーオン寺院

参道を渡り切ると迫力のある寺院の中央聖域にたどり着きます。山岳寺院とも称されるその姿は圧巻です。

ピラミッド部分の基盤は東西120m、南北100mにおよびます。三層構造になっており、それぞれに回廊が備えられています。本殿の中央祠堂は1基で、かつて50mの高さがあったといいます。

バプーオン(Baphuon)寺院の急な階段
急な階段

見学者用に木製の階段が設置されているので、この急な階段を上って中に入ることができます。

バプーオン(Baphuon)寺院回廊への入り口
回廊への入り口

13世紀末、元の使節としてこの地を訪れた周達觀は「真臘風土記」において、この寺院には「銅塔一座(バプーオン)があり、バイヨン寺院塔(高さ45メートル)よりも更に高い」と記しています。「銅塔」と表現されているとことにより、当時は銅でしつらえていたとの考えもあります。

バプーオン(Baphuon)寺院第一層
第一層
バプーオン(Baphuon)寺院第一層から見上げる中央聖域
第一層から見上げる中央聖域

正門は東を向いているため、午前中のほうが逆光にならなくて、きれいな写真が撮れると思います。私たちはシェムリアップ2日目の朝に訪問しました。

バプーオン(Baphuon)寺院第二層への階段
第二層への階段
バプーオン(Baphuon)寺院第二層回廊への階段
第二層回廊への階段

第二層回廊へは、観光客のための階段が設置されていますが、かなり急です。年配の観光客の中には上るのをためらっている外国人もいました。

バプーオン(Baphuon)寺院第二層回廊の入り口
第二層回廊の入り口
バプーオン(Baphuon)寺院第二層回廊
第二層回廊
バプーオン(Baphuon)寺院第二層回廊の屋根付き部分
第二層回廊の屋根付き部分
バプーオン(Baphuon)寺院最上層テラス
最上層テラス

最上層のテラスには、主に点在する柱だけが残された状態になっていますが、ところどころ屋根が設置されている部分もあり、天井柱にレリーフがほどこされているのを確認できます。

バプーオン(Baphuon)寺院東大門
東大門

最上層から見下ろした東大門です。

バプーオン(Baphuon)寺院第二層回廊と尖塔
第二層回廊と尖塔

一番上のテラスは開放感があり、ぐるっと歩き回ることができます。残念ながら、現在中央祠堂に上ることはできません。しかし、蓮の花を備える参拝者もいて、今でも信仰が息づいているのを感じさせられました。

バプーオン(Baphuon)寺院中央本殿
中央本殿

中央本殿はそれこそ山の頂きのような雰囲気です。扉のフレームのようなものが残されているので本来は他のアンコール寺院と同じく、塔型の祠堂が置かれていたのかもしれません。

知る人ぞ知る遺構:ピミアナカス(Phimeanakas)寺院と古代の貯水池

ピミアナカス寺院(Phimeanakes Temple)

ピミアナカス寺院(Phimeanakes Temple)
Phimeanakes Temple

三層ピラミッドとして建てられたヒンズー寺院で、バープオン寺院の北にあります。10世紀末、ラジェンドラヴァルマンの時代(941年から968年)に建設され、その後スールヤヴァルマン1世によって完成しました。ピラミッドの頂上には塔があり、最上層には回廊があります。

寺院の周りを歩き回ることはできますが、ピラミッドに上ることはできませんでした。バープオン見学のあと、象のテラスへ向かう途中にあります。中には入れませんが外観が美しいので写真撮影しておきたいスポットです。

貯水池(Sras Srei)

貯水池(Sras Srei)
貯水池

バープオンから象のテラスへ向かう途中にあります。長方形の大きな貯水池で、トルコのローマ古代都市遺跡で見たプールを思い出しました。

国王が軍隊を迎えた観覧席:象のテラス & 癩王のテラス

象のテラス:凱旋した兵士たちを迎えた大舞台

象のテラス(Terrace of the Elephants)
テラスへの階段

高さ約3m、全長約300mのテラスで、その壁面にある象のレリーフにちなんで「象のテラス(Terrace of the Elephants)」と呼ばれるようになりました。

12世紀末にジャヤーヴァルマン7世(在位1181-1220年)によって建てられました。象のテラスから西道は、勝利の門へと続いています。このテラスで、王が戦いに出発する軍を見送り、凱旋した兵士たちを迎えたのです。

現在残されている部分は、本来の建築物の基壇にしかすぎません。その他の部分のほとんどが有機素材で造られていたため消失してしまっています。

象をモチーフとしたデザイン
象をモチーフとしたデザイン

巨大な閲兵席として機能していた象のテラスは、上部に蛇神ナーガの欄干が伸び、中央部と両端にバルコニーが設えられています。階段の左右には象をモチーフにした装飾がほどこされています。

力強いガルーダが支えるテラス
力強いガルーダが支えるテラス

横壁にはガルーダのレリーフ、クメールの象使いによるゾウの行進のレリーフが彫られています。

象のレリーフ
象のレリーフ

癩王(らいおう)のテラス:壁一面を埋め尽くす見事な立体レリーフ

癩王のテラス(Preah Ponlea Sdach Komlong:Terrace Of The Leper King)

象のテラスの北側にあるのが癩王のテラス(Preah Ponlea Sdach Komlong:Terrace Of The Leper King)です。

ジャヤヴァルマン7世の時代にバイヨン様式で建てられました。「癩王のテラス」という名称については諸説ありますが、この遺跡より見つかった像に由来するといわれています。

癩王のテラス壁のレリーフ
癩王のテラス壁のレリーフ

見どころは壁に鮮やか彫られた立体的なレリーフです。デバター像や阿修羅像がびっしりと一面に彫られています。

癩王のテラス頂上
癩王のテラス頂上

テラス頂上には仏像が置かれていますが、特に見どころはありません。

アンコール遺跡巡りの旅は2日目へ

今回、私たちはシェムリアップに3泊し、毎日自転車でアンコール遺跡群を巡りました。初日は定番のアンコールワットと、このアンコールトムの見どころをじっくり満載で体験しました。

私たちのジャングル遺跡冒険はまだまだ続きます。翌朝からスタートした、さらにディープな2日目の記録はこちらからどうぞ! ➡ アンコール遺跡群:2日目の観光ルートへ続く(次の記事リンク)

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