ヌクスに2泊したのち、世界遺産にも登録されている歴史都市、ヒバ(Khiva)へ移動するついでに要塞古城遺跡の観光もできるというツアーに参加してみました。
ヌクス-ヒバ間の移動+要塞観光の一日ツアーはいくつかの旅行社が提供しています。私たちはその中で、ヒバを拠点とする旅行社のツアーを選びました。
ヌクス(Nukus)、ヒバ(Khiva)周辺の要塞遺跡
ヒバ(Khiva)はウズベキスタン、ホラズム州の街です。その歴史は古く旧市街のイチャン・カラは遺跡発掘より1世紀にはすでに存在していたことがわかっており、1990年にユネスコの世界遺産に登録されています。ヒヴァハン国(16世紀初頭から20世紀初頭)の首都として機能していた都市でもあります。
ヒバ付近には複数の古代要塞が建てられ、今も遺跡として観光見どころになっています。ただしこれらの要塞遺跡は広いエリア点在しており、個別にアクセスできる公共交通手段はありません。そのため要塞遺跡を効率よくめぐるには、各旅行会社が携行するツアーに参加するのがおすすめです。
要塞はヌクスからヒバ間にあるため、要塞見学をしながら2つの街を移動するルートになります。つまりヌクス発ヒバ到着、あるいはヒバ発ヌクス到着のいずれかとなり、ツアーを行っている旅行社はヌクス、ヒバの両方の街に存在しています。
観光しながら2つの街を移動できるのですから、このエリアを周遊したい旅行者にとってはお得感が高いツアーだと思います。
私たちはヌクスに滞在しており、ヌクス発ヒバ行きの要塞見学ツアーに参加するつもりで、複数の旅行会社に問い合わせてみました。リーズナブルな価格で要塞6箇所ツアーを提供していたのが、ヒバにあるイスラムベックトラベル(Ialambek Travel & Hotels)です。ワッツアップで連絡を取り合い、ツアーを予約しました。
要塞古城遺跡一日ツアー内容
イズラムベックトラベルでは数多くのツアーを開催しています。ヌクス-ヒバ間の要塞巡りツアーも、要塞6箇所の他に要塞4箇所コースもあります。詳細はウェブサイトで確認してみてください。
私たちが参加した、ヌクス-ヒバ要塞6箇所コースでは、当日指定した時刻にヌクスの指定場所(ゲストハウスやホテルなど)に車が迎えに来ます。6箇所の要塞古城を順に訪問しながらヒバの街へ向かいます。要塞遺跡の入場料、食事代はツアー料金に含まれません。ツアー全体の所要時間は10〜12時間で、最終はヒバの指定場所(宿泊施設)まで送り届けてもらってツアー終了となります。料金は1〜2名が快適に過ごせるサイズの車で、車1台につき79米ドルでした。
ヌクスからヒバまで直接移動する場合の距離は約170kmですが、ツアーでは6箇所の要塞に立ち寄りますので全体の走行距離は360kmになります。
イズラムベックトラベルでは、当日のどの時刻でもツアー開始可能と書かれていますが、午前中のスタートが推奨されています。私たちは午前7時45分にヌクスのゲストハウスまで迎えに来てもらうよう予約しました。
ヌクス出発:午前7時50分
2023年7月11日の朝、予約した時刻通り、午前7時45分にヌクスで宿泊していたゲストハウスのフロントに下りると、ツアーの運転手はすでに到着していました。チェックアウトして荷物を車に積み込み、午前7時50分ツアー開始です。
車はきれいに手入れされた乗用車です。バックパックをトランクに収め、美しい絨毯風シートが掛けられた座席に乗車しました。エアコン付きで車内は快適です。
ツアーのリーフレットと飲料水が置かれていました。リーフレットは英語のみで日本語はありません。訪問する要塞遺跡の紹介が書かれているので、Google翻訳カメラで読みましょう。
ウズベキスタン人の運転手ウムルベック(Umrbek)さんは英語が少しわかる人でした。とはいっても少し込み入った話は英語では無理なので、(トルコ語に似た)ウズベク語とときどきロシア語、さらにGoogle翻訳を頼りにコミュニケーションしました。
チルピック要塞古城(Chilpik Kala):午前8時40分
ツアー最初に訪れる要塞はチルピック要塞です。ヌクスの街を出て約40分ほどで着きました。
1世紀に建設された要塞で、その後数度にわたり再建されています。ゾロアスター教の人々によって使用され、要塞の頂きでは鳥葬が行われていました。青空の下に遺体をさらし、鳥が食べたあとの骨を家族が集め粘土や石で作られた納骨堂に埋葬したといいます。
入場料は外国人の場合一人10,000ソム。トイレあり。
ガス補充
ここで給油ならぬ、給ガスです。メタンガス車はクリーンエネルギーとして注目されていますが、ウズベキスタンにはメタンガスで走る車がたくさん走っています。今回のツアー車もそうで、メタンガスステーションにてガスを補充しました。ちなみにメタンガスとガソリンの両方に対応した車だそうで、互いに切り替えて使用することができるのだそうです。
ギャウル要塞古城(Gyaur Kala):午前10時20分
本日二つ目のスポットです。一枚板のような壁が見えてきたらそれで、チルピック要塞とは異なる雰囲気です。
ギャウル要塞は、3〜4世紀ごろまで使用されていたことがわかっています。北側の長い壁と西側の短い壁が残されており、東側の城壁は基礎のみが残されています。かつては長さ400mあったといわれる壁は、間近で見るとレンガの形が依然として確認可能です。
入場無料。トイレ無し。
ジャンピック要塞古城(Jampik Kala):午前11時
規模の大きな要塞古城跡です。
基礎の最も古い部分は紀元前4〜1世紀までさかのぼります。現在遠目からもよく確認できる壁は中世に建てられたものです。城壁内の北西には宮殿のような建造物があったと考えられており、ヒダ状の壁はそのファサードだったとみられています。
入場無料。トイレ無し。
キジル要塞古城(Kizil Kala):午後12時10分
補強工事された部分が見て取れます。要塞の上部への階段もきちんと整備されており、歩きやすかったです。
1世紀から4世紀に建設された要塞ですが、その後数百年もの間、放棄されました。12世紀から13世紀になって再建されています。
入場無料。トイレ無し。
トプラク要塞古城(Toprak Kala):午後12時40分
キジル要塞すぐ近くにあるのがトプラク要塞です。かなりの部分砂土に埋もれてしまっていますが、素朴な姿を伝えています。
2世紀から3世紀ごろに作られた王宮だと考えられています。その後放棄された期間もありましたが、後には行政要塞として用いられました。
入場無料。トイレはもしかしたらあるかも。
アクチャクル(Akchakul)湖畔でランチ:午後1時10分
ここでランチ休憩です。アクチャクル湖畔にあるレストランでお昼にプロフ(ピラフみたいなもの)をいただきました。
平日の午後でしたが、水浴びに来る家族連れが何組もいて歓声を上げていました。
アヤズ要塞古城(Ayaz Kala):午後2時半
本日のツアー最後のスポット、アヤズ要塞です。駐車場の横に遊牧民テントが並んでいましたが、私たちは立ち寄らず要塞の方へ向かいました。
7世紀から8世紀に建設されたとみられています。遊牧民からの襲撃に耐えるための要塞として作られました。
アヤズ要塞は3つの建物が集まっていますが、そのうちの一つは基礎しか残されていないようです。まさに砂漠の中に建つ要塞で、その足元に行くまでに砂地を数分歩きました。ちょうど一日の中で最も気温が高くなる午後2時半です。外気温は摂氏50度近かったのではないかと思われます。日向と日陰の温度差が大きいので、日陰でじっとしていればそれほど暑くは感じないのですが、この要塞には日陰がほぼ皆無。あまりの暑さに私たち以外の観光客も皆無でした。
入場料一人10,000ソム。トイレはたぶんあります。
ヒバのホテル到着:午後5時半
アヤズ要塞を出て約2時間でヒバのホテルに到着しました。途中で再びガス補充したり、飲料水を買うためにお店に立ち寄ったりしました。また道路が混み合っている部分を通ることもあったので、時間がかかっています。
ともかく、今日のツアーはここで終了です。長い一日でしたが、それほど疲労感は大きくなかったです。よい一日でした。
ツアー前の準備について
ヌクス発、要塞遺跡を巡ってヒバまで行くツアーに参加しました。ツアーに出かける前の準備として気がついたことを書いておきます。
日照対策
ツアーでは全体で360km移動します。車内で過ごす時間は多いですが、要塞観光の際はほとんど日陰がありません。そのため、帽子、サングラス、日焼け止めクリームなど、日照対策をしっかり行って出かけましょう。
飲料水は持参
飲料水は提供されますが、自分でも持参するのがおすすめです。とても乾燥した地域ですので喉が乾きますし、埃っぽい空気にのどがイガイガしがちです。
街を出てしまうとお店はほぼありません。飲料水だけでなく、小腹が空いたときのためのビスケットまども用意しておくといいかもしれません。
トイレはこまめに行く
要塞観光スポットによって、トイレがあるところとないところがあります。トイレが近い人は、トイレを見つけたときに行っておくのがおすすめです。トイレットペーパーも忘れずに携帯しましょう。
ツアーを終えて
6箇所の要塞古城をまわりましたが、それぞれに異なる特徴を持っていて、飽きることなく楽しく見学できました。
長時間ドライブも終始安全運転で不安を感じることはなく、言葉が通じないながらもいろいろと気を遣ってくれたのが感じられました。
なお、各観光スポットの入場料については、たとえ有料であっても、徴収するスタッフがいなければ素通りして入ってしまえることがあります。投稿内の記載は、私たちが実際に請求されたままに書き留めています。時期によって異なる可能性もあるので、ご了承ください。
今回のツアーは、イズラムベックトラベル(Ialambek Travel & Hotels)さんでお願いしました。料金、内容は投稿時点での情報です。最新情報は直接問い合わせてみてください。
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