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ビエルタン要塞教会世界遺産:シギショアラからヒッチハイクで日帰り観光

ルーマニア

シギショアラ(Sighişoara)から日帰りでビエルタン(Biertan)要塞教会を見学しに行ってきました。要塞教会を含むビエルタン村は、ユネスコの世界遺産として登録されています。

最寄りの大きな街はシギショアラになりますが、交通手段が限られるため、大部分はヒッチハイクで行き帰りすることになりました。

シギショアラからビエルタン村へのアクセスとビエルタン要塞教会の見どころについて、シェアしておきます。そしてビエルタン近郊にあるコプシャマレ村についてもふれています。

ビエルタン(Biertan)要塞教会について

ビエルタン要塞教会は、シビウ県ビエルタンにあるルーテル派の要塞教会です。当時トランシルバニアに入植していたドイツ系ザクセン人コミュニティによって建設されました。もともとはローマカトリック教会でしたが、宗教改革後に福音ルーテル教会となりました。1993年、この要塞教会を含むビエルタンの街はユネスコの世界遺産に登録されています。

教会は三重の要塞壁で囲まれており、6つの要塞塔を含んでいます。中央に位置する教会は最も高い位置に置かれています。建築開始の具体的日時はわかっていませんが、この要塞教会に関連した最初の記録が見られるのは1486年です。

シギショアラからビエルタン要塞教会までの行き方

シギショアラ鉄道駅

シギショアラからビエルタンまでの行き方はちょっと面倒です。まず、シギショアラからドゥンブラヴェニ(Dumbrăveni)まで鉄道で行きました。

シギショアラからドゥンブラヴェニまで

シギショアラ鉄道駅切符売り場

シギショアラ鉄道駅を午前10:13に出発する便があったのでそれで行くことにしました。

シギショアラからドゥンブラヴェニまでの切符

シギショアラからドゥンブラヴェニまでは21km、料金は一人5.5レイでした。鉄道所要時間は20分です。

ドゥンブラヴェニ行きの列車

シギショアラ駅はプラットフォームの工事中で、私たちの列車が来るプラットフォームまでは木製の臨時ブリッジを渡って移動しました。少し待っていると列車が入ってきました。席は自由席なので、好きな場所に座りました。

列車は予定時刻にシギショアラを出発し、20分後、ドゥンブラヴェニに到着しました。

ドゥンブラヴェニからビエルタン村への交差点までヒッチハイク

ドゥンブラヴェニ鉄道駅

ドゥンブラヴェニからビエルタンまでの鉄道はなく、バスの有無は不明です。ドゥンブラヴェニ駅は小さな駅舎がありましたが、駅前にバス停らしいものはなく、あまり期待できません。タクシーどころか、駅周辺には車両は1台も見当たりません。地元の人影もなく、ただ、私たちと同じ列車に乗っていた、小さなバックパックを背負った二人連れ(おそらく外国人旅行者)が同じ駅で降りると、ビエルタンの方へむかってさっさと歩き出したのを見ただけでした。彼らがビエルタン要塞教会へ行くのかどうかはわかりませんが、もしそうなら歩いて行くつもりなのでしょう。

ドゥンブラヴェニ駅からビエルタン要塞教会までの距離は約15kmなので、歩こうと思えば歩けないことはありませんが、2時間半以上かかります。私たちはこの日、ビエルタン要塞教会のほかにもう一箇所行きたい場所があったので、できれば時間も体力も節約したいところです。そうなるとヒッチハイクしかありません。

ーーーとはいえ、とにかく交通量が少ない道路です。車が現れるまで小刻みに進行方向へ向かって歩きながら、ヒッチハイクすることにしました。

数台の車が通り過ぎ、停まってくれたのは地元のカップルらしき人たちでした。ビエルタンまでは行かないけど、その手前の交差点までなら、とうことで乗せてもらうことに。途中で、同じ列車に乗っていた二人連れの旅行者を追い越し、ビエルタンの街まで8kmと表示された交差点で車を降りました。

交差点からビエルタン村までヒッチハイク

ビエルタン行きの交差点

さて、ビエルタン行きの交差点で降りたものの、相変わらず交通量は多くありません。ビエルタン方面行きの車両はかなりまばらで、ここからも歩きながらヒッチハイクすることにしました。1本道ですので迷うことはありませんし、最悪歩いて行けば教会にたどり着くはず…、と5分ほど歩いたところで1台の車が停まってくれました。地元の男性二人連れで、ビエルタン要塞教会まで行きたいというと、快く乗せてくれたのです。

ビエルタン要塞教まで乗せてくれたローランドとヴィクトル

親切なお二人のおかげで、ビエルタン要塞教会の入口までスムーズに行くことができました。

ビエルタン要塞教会の入場料

ビエルタン要塞教会

かなり辺鄙なところにあるビエルタン要塞教会ですが、世界遺産に登録されているだけあって、きちんと観光地として整備されていました。入口付近にはちょっとした広場があり、ベンチや花壇が配置されています。ツアーで訪れる観光客も多いのでしょう。

さっそくビエルタン要塞教会を見学しましょう。ビエルタン要塞教会の入場料は一人15レイでした。黄色い壁の建物の中にチケット売り場があります。

ビエルタン要塞教会チケット売り場
ビエルタン要塞教会の入場券

支払いは現金のみになります。チケット売り場の奥に暗いトンネル階段があり、ここから要塞教会に入場できます。

ビエルタン要塞教会の見どころ

教会への階段

チケット購入後、丘の上にある教会へは木造屋根のついた階段を上って訪問します。

市庁舎の塔(The Town Hall Tower)

市庁舎の塔(The Town Hall Tower)

片側のみに傾斜がついた屋根の塔で、3階建てに作られました。2番めの要塞壁に連結しています。かつてはここに市庁舎があったために、この名前がつけられました。

北の塔/時計塔(The Northern Tower/Clock Tower)

北の塔/時計塔(The Northern Tower/Clock Tower)

要塞の北にある4階建ての時計塔です。木製の通路があり、その上の屋根の上に時計が収められた小塔がのっています。

鐘楼(The Bell Tower)

鐘楼(The Bell Tower)

教会の北側にある鐘楼は木造で、18世紀に作られました。

ルーテル教会(The Lutheran Church)

ルーテル教会(The Lutheran Church)

要塞の中心であり、高い位置に建つ教会です。建設日時は、はっきりとはわかっていませんが、後期ゴシック様式で作られており、1500年頃の建築だとみられています。

聖具室の入口(The Sacristy Portal)内側の錠前

教会内には1889年のパリ万国博覧会に展示された特殊なドアがあります。1515年に作製された、シギショアラの巨匠ヨハネス・ライシュムトの作品で、扉に刻まれた紋章も美しいですが、目を引かれるのはその裏側にある巨大な錠前です。フォーク状の鉄片15本とボルト4本を含む複雑な構造になっています。扉の外側から見るだけでなく、ぜひ部屋の中に入って裏側から観察してみてください。

中城壁の塔門(The Tower Gate of Middle Wall)

中城壁の塔門(The Tower Gate of Middle Wall)

市庁舎の塔の近くにある、ピラミッド型屋根の塔です。この塔に連結する南側の中城壁(2番めの要塞壁)は力強く迫力があります。

東の要塞(The Easten Bastion)

東の要塞(The Easten Bastion)

城塞の南東部にある独立した建物は、別名「不幸な人のための刑務所(prison for unhappy couples)」と呼ばれていました。平時には、仲違いした夫婦がここに閉じ込められ、仲直りするまで外に出してもらえなかったそうです。室内にはシングルベッド、テーブル、椅子、皿、グラス、そしてスプーン1本が提供されており、夫婦でそれらを共有して過ごすことを強制されました。

そのおかげで、司教がいた3世紀の間に離婚したカップルは1組だけだったという逸話が残っています。

コプシャマレ(Copşa Mare)要塞教会までの道

カラフルな旧家が並ぶ

ビエルタン要塞教会を見学したあとは、近くのコプシャマレ(Copşa Mare)村にある要塞教会にも立ち寄ってみることにしました。ビエルタン村からコプシャマレまでの距離は3kmちょっとですから、ひたすら歩いてもしれています。

ビエルタン要塞教会を出たあと、カラフルな家が並ぶアスファルト道を少し歩いて、フェンス扉がついている小道に入りました。

フェンス扉を開けて小道へ

Map.meにはハイキングルートが記載されています。これに従って、草むらの中、前日の雨でややぬかるんだ道を主要道路まで歩きました。

ハイキングルート

少し歩いて小さな丘に出たところで振り返ると、ビエルタン要塞教会の全体像がよく見えました。曇り空だったのが少し残念です。

再びアスファルトで舗装された主要道路に出たときでした。1台の車が停まり、行き先を伝えるより先に、車に乗せてもらうことになりました。中年夫婦でスペインに住んでいたことがあり、スペイン語がペラペラのお二人でした。車内でおしゃべりに夢中になっているうちに、あっという間に教会へのアクセス道に到着しました。

彼らの家はその交差点脇にあり、「家でコーヒーでもどう?」と誘われたのですが、天気が悪化する前にシギショアラまで戻りたい私たちは、丁重にお断りしました。

スペイン語が上手なお二人と

井戸がある小さなロータリーがあり、そこから要塞教会へ歩いて行きました。

コプシャマレ要塞教会(Copşa Mare Fortified Church)

コプシャマレの街並み

シビウ県コプシャマレにある要塞化された福音教会は、14世紀に建てられたものです。

コプシャマレ要塞教会へのアクセス道

私たち以外に訪問者はなく、要塞教会の門は閉じられていました。施錠されていて、中に入ることができません。

コプシャマレ要塞教会の門

扉にガイドの電話番号が記載されたポスターがありましたが、そこまでして中に入りたいわけではないのです。教会の中を見学できないのは残念といえば残念ですが、ここまで来る旅程が楽しかったのでそれで十分です。そのまま静かに教会を去ることにしました。

シギショアラまでの帰り道もヒッチハイク

コプシャマレからビエルタンへの道

コプシャマレからの帰り道、ヒッチハイクは行きよりも難しかったです。コプシャマレからビエルタン、ビエルタンからドゥンブラヴェニ行きの交通量はその逆方向よりもさらに少なく、コプシャマレからビエルタンまで、ひたすら歩くことに。この2つの村は近いので、歩いてもしんどくはなかったのですが、問題はビエルタンからドゥンブラヴェニまでです。できれば車で戻りたいところですが、そもそも交通量が少ない…

この写真を撮ったあと、乗せてもらった馬車

そんなとき、後ろから蹄の音が聞こえて振り返ると、3人の男性と荷台を引く馬車が1台やってくるところでした。通りすがりに写真撮影すると、彼らは手を挙げてスローダウンし、停まってくれました。荷台に座っていた若い男性に促されて、馬車の荷台に乗り込みます。

若い男性はドイツ在住のルーマニア人で英語で会話ができ、前方に座っているのは彼の叔父さんたちといっていました。多分2kmくらい進んだところで、馬車は脇道に曲がるため、私たちはそこで馬車を降りました。これで少し前進です。

さて、再びヒッチハイクするしかないのですが、降りたところは道が真っ直ぐで、やってくる車はかなりのスピードを出しています。この状況で車に停まってもらうのは厳しそうです。

エレーナさんの車と名刺

それでも歩き歩き、車を見つけては手を挙げてみる、を繰り返していると、1台の青い車がスローダウンして停まりました。この付近でスパマッサージを経営しているエレーナさんとそのパートナーさんでした。イギリスに住んでいたことがある彼女は英語がとても上手。ドゥンブラヴェニ鉄道駅の近くまで送ってもらえることになりました。

ドゥンブラヴェニ駅近くの交差点

ドゥンブラヴェニ鉄道駅近くの交差点で下ろしてもらった私たちは、再びヒッチハイクを試してみました。できれば、シギショアラまで乗せてくれる運転手がいれば理想的です。

このときドゥンブラヴェニからシギショアラ行きの列車は、30分後に出発する便があったので、ギリギリまでヒッチハイクしてみて駄目なら鉄道で帰ろうと考えていました。

鉄道駅の近く、シギショアラ行きの主要道路との交差点に立っていたのですが、なかなか車は停まってくれません。そもそも、この交差点で鉄道駅方面の橋に向かって左折する車が多く、直進してシギショアラ方面へ向かう車は少数派なのです。

それでも時間ぎりぎりまで粘ってみましたが、やはり無理っぽい…、と諦めて鉄道駅の方へむかって橋を渡ろうとしたときでした。

橋の方からやってきたバンが交差点で停まり、運転していた若い男性が窓を開けました。「シギショアラ?」というと彼は頷いて、急いで車に乗り込むことに。

シシギショアラまで乗せてくれたルーマニア人経営者

ーーーこのころになって、私たちには気づいたことがありました。それは「ヒッチハイクで乗せてくれる人には、理由がある」ということ。

このときシギショアラまで乗せてくれた運転手はコーヒーを扱う経営者で、「よい人が困っていたら手を差し伸べてあげたい」から、停まってくれたのだといいました。彼は少し前に橋を渡ってドゥンブラヴェニ鉄道駅方面へ行ったとき、交差点に立っていた私たちを見ていて、「戻って来るときにこの人たちがまだここに立っていたら、停まってあげよう」と思ったそうです。

一年間の旅行中、私たちは本当にたくさんの人にヒッチハイクで乗せてもらって助かったのですが、きっとみなさん、停まってくれたのは何らかの理由があったのです。もしかしたら、「歩いている人がいたから」というだけの理由だったからかもしれませんが。

若いルーマニア人の運転手は英語がけっこう上手で、いろいろ話を聞いているうちにシギショアラの街に着きました。Pennyという安いスーパーマーケットの前で下ろしてもらったのですが、その駐車場に数分停まって、私たちが翌日行く予定のブカレストまでのバス時刻表をオンラインで調べてくれたり、とても親切にしていただきました。ていねいにお礼を言ってお別れです。

この日は、訪れた要塞教会とその街も印象的でしたが、それ以上にその旅程で出会った人々とのふれあいが、忘れがたい思い出となりました。

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