フィリピン、ネグロス島の南東に浮かぶ小さな島、アポ島は海亀といっしょに泳げるシュノーケリングスポットとして、多くの観光客が訪れます。
ほとんどの観光客は最寄り街からの日帰りツアーでアポ島を訪れますが、私たちは島に宿泊しました。
本来は5日から7日程度、のんびり滞在するつもりで島に渡ったのですが、最終的には1泊で離れることになりました。アポ島の魅力と、長期滞在しなかった理由について書いておきます。
アポ島について
アポ島はネグロス島の南東に浮かぶ小さな島です。サンゴと岩場のビーチがあり、シュノーケリングやダイビングが楽しめるスポットとして知られています。
人口はわずか1000人程度ということですが、そのほとんどがビーチに隣接した街中心に集中して住んでいるため、密集しているように感じられました。
島には、数件のホームステイとレストラン、小さな商店があります。
これを書いている2023年5月の時点で、電気は午後6時から10時までに限られています。太陽光発電を備えている施設や家もあり、その場合は24時間近く電気が使えるところもあるようです。
アポ島入場料は100ペソ
アポ島は保護区なので、入場料一人100ペソ払う必要があります。上陸したらまず管理オフィスへ行き、入場料を支払います。
オフィスは船を降りたビーチの左の方にあります。マラタパイの船着き場で受け取った紙を提出して料金を支払いましょう。
保護エリアの海に入る際はガイド(300ペソ)の同伴が必須
アポ島周辺は海亀が生息しており、ビーチから海へ入ってすぐに海亀と遭遇する確率は非常に高いです。ただし、この海域は保護区に指定されていて、ここで泳ぐ際には300ペソでガイドを雇わなくてはいけません。これがウザイところです。
島に到着した日は祝日だったので、国内の日帰りツアー観光客がたくさんシュノーケリングしていました。もちろん、グループにつき一人ガイドが付いています。ガイドは蛍光黄色のシャツを着ているのですぐにわかります。
シュノーケリングや海で泳ぐことに慣れていない観光客が多いのでしょう。浮き輪を持ったガイドがシュノーケリング客とロープ繋がって、彼らを牽引しているシーンをよく見かけました。中には、そのロープがサンゴ礁に引っかかって右往左往しているグループも見受けられました。
私たちはこれまでにシュノーケリングを何度も経験してきており、道具も持参しているので、ガイドを頼む理由がありません。だからそんな観光客を尻目に気ままに海に入りシュノーケリングし始めました。ガイド無しでも、誰にも何も咎められませんでした。
海に入ると海藻で覆われてカーペットのようになった岩場があり、大きな海亀がいました。海藻を食べにやって来るのです。数分も泳がないうちに1mを越える大きな亀に数匹遭遇しました。私たち以外にシュノーケリングしている人がいましたが、人間様のことは気にせずもりもりと海藻を頬張っています。
海水の透明度は高く、沖へ向かって泳ぐとさまざまな種類のサンゴ礁が広がり、素晴らしい海底ランドスケープを作りあげていました。熱帯の魚もたくさん泳いでいます。
アポ島に到着してゲストハウスにチェックインしてからすぐに海に入ったので、多分午前10時半ごろだったと思います。この日はそのあと夕暮れ前にも同じ場所で、やはりガイドを伴わずにシュノーケリングしましたが、ガイドの人に声をかけられることはありませんでした。
アポ島の有名なシュノーケリングスポットは2つあり、このとき私たちが行ったのは船着き場のビーチです。もう一つ、マリーンサンクチュアリというシュノーケリングスポットがあるのですが、残念ながらこのときは閉鎖されていました。
マリーンサンクチュアリのビーチを歩くことはできるようですが、海に入っている人の姿はなく、地元の人にも「クローズ」しているといわれたのです。
どちらかというと、マリーンサンクチュアリの方を楽しみにしていたのでがっかりです。それで翌朝も前日と同じく船着き場ビーチでシュノーケリングしようとしたのです。
時刻は午前7時くらいだったと思いますが、他に海に入っている観光客は皆無に見えました。前日と全く同じ場所から海に入ろうとすると「ガイドしましょうか」と、一人の男性が声をかけてきたのです。「大丈夫、必要ありません。ありがとう」といって断ると彼は「じゃあ、楽しいシュノーケリングを」といって離れて行きました。
「なんだ、やっぱりガイド同伴が義務というのはデマだったのね」と喜んだのもつかの間、今度は別の若い男性がやってきて「こんにちは。ここで泳ぐにはガイドの同伴が必須なんですよ」と話かけてきました。
押し問答の結果、船着き場ビーチのエリアは沖にブイが浮かんでいる範囲内はガイドなしの遊泳はできないのだそうです。ビーチから左向きに岩場の方へ泳ぐのなら問題ないが、戻って来るときは岩場を歩いて戻ってくださいといわれました。
私たちはシュノーケリングしにこの島に滞在しているのに、自由に海に入れないなら連泊する意味がありません。ガイド一人につき一回300ペソですから1日3回シュノーケリングしようとすればそれだけで900ペソです。必要のないものにそんな金額を私たちが費やす理由はありません。
インドネシアで楽しんだように、5日から長ければ10日滞在してシュノーケリング三昧しようと、現金を用意して島に来たのですが、この時点でこの島に長居する必要はなくなりました。
ハイキングコース
シュノーケリングだけがこの島の魅力ではありません。海に入ることができなくても歩くことが好きなら、ハイキングコースと素晴らしい景色を楽しむことができます。
私たちがまず向かったのが灯台です。船着き場管理オフィスからダイビングリゾート側に坂を上る入り口があります。それを上がって行くと灯台と電話塔があります。
少し開けた原っぱに灯台が建っていて、その向かいに電話塔があります。
ここはさすがにSIMカードのインターネット接続がスピーディでした。灯台の先に小道があり、島の反対側の景色を望むことができます。
この小道を歩いて行くと島の中央にある展望スポットにたどり着きました。分かれ道が数カ所ありわかりにくいので、地元の人を見つけたら聞いてみてください。
展望スポットからはマリーンサンクチュアリと船着き場ビーチの両方を望むことができます。
この他にもビューポイントはいくつかあります。
アポ島は長期滞在には向かない?
島の人々は非常にフレンドリーで、いつも笑顔で話しかけてくれます。宿泊施設も数軒あり、安く泊まれるところもあります。電気供給が安定しないというデメリットもありますが、離島ではよくあることです。
ただ、宿泊は安いけれど、レストランでの食事は安くありません。これはシュガービーチも同じで、フィリピンリゾートはどこもそういう感じなのかもしれません。
観光地ではない街中の食堂での食事はとても安いので、それに比べると高いなーという印象です。食事が割高なのも長期滞在に向かないと思った理由の一つです。
時間とお金をかけてわざわざ離島まで行くのですからゆっくり滞在したいと思うのですが、以上のような事情から1泊しただけで脱出したのでした。
海亀と美しいサンゴ礁はとても魅力的なのですが、正直、日帰りツアーで行くので十分かなーなんて感じてしまったのでした。
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