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ペルガモンアクロポリス世界遺産の見どころ:ベルガマから歩いてみた

トルコ

ベルガマ(Bergama)の街に来た理由はギリシャ時代の都市遺跡、ペルガモンアクロポリスを見学するためです。

ペルガモンアクロポリスへ行く方法はいくつかありますが、私たちは最も安い方法、つまり歩いて登りました。

ペルガモンアクロポリスへ歩いて行く場合の行き方と、観光の見どころについて紹介します。

ペルガモンアクロポリスについて

ペルガモンアクロポリス

ベルガマンアクロポリスは、ベルガマの街中心から北東の丘の上にあります。街から見えるのですぐにわかると思います。ベルガモンアクロポリス遺跡には複数の見どころがあり、高さ335mある安山岩の丘斜面に点在しています。

ペルガモンは紀元前281年から紀元前133年までアタリッド王国の首都であり、ギリシャ時代の重要な文化中心都市として栄えましたが、その後ローマのアジア属州の一部になりました。

ペルガモンの街はどのくらい古いのか。その定住は、紀元前8世紀後半にまで遡ります。 青銅器時代の初期の居住は証明されていませんが、周辺地域では青銅器時代の石器が発見されています。

ペルガモンアクロポリス遺跡では、依然として発掘調査が進行中ですが、主にヘレニズム時代の建築やローマ時代に使用が認められる建造物が残されています。

ペルガモンは2014年にユネスコの世界遺産リストに追加されました。

青色の点が見学ルートを示している

無造作に置かれたように見える数千年前の遺跡には、ところどころに青色が打たれています。これが主要な建造物を巡る推奨ルートを示しています。この青いマークがあれば、何らかの歴史的見どころであるということです。敷地内はその他に明確な見学ルートは示されていないので、これを目印に散策するとよいでしょう。

なお、太陽を遮るものがほとんどない野外博物館です。日照対策をしてでかけてください。

ベルガマからのアクセス

アクセスするには車で上部の駐車場まで上るか、ケーブルカーで上がるか、あるいは徒歩で登るかになります。

車で上まで上がるにしても、ケーブルカーで上がるにしても費用がかかりますが、歩いて上がるのは無料です。下の街から見上げるとけっこうな高さにありますので歩くのはたいへんだと思うかもしれません。でも、二千年前の人々が登った道です。実際に歩いて上がってみると、途中の遺跡に立ち寄り見学しながらゆっくり上がれるので、それほどしんどくはありませんでした。

ベルガマから歩いて上ってみた

ペルガモンアクロポリスへの道

ペルガモンアクロポリスへ歩いて上がる道はGoogleマップを参照しながら登りました。街の中心から北東方向に坂道を上がります。最初は坂道に建つ住宅の間を縫うように上って行きますが、しばらく行くと住居がなくなり、舗装されていない道に出ます。

ペルガモンアクロポリスへの入口ゲート

なんとなくフェンスに囲まれた遺跡群が見えてきたら、入口ゲートは近いです。私たちが通ったときには誰もいなくてすんなりゲートを抜けることができました。

エウメネスの門とアゴラ(Agora/市場)

ペルガモンアクロポリスの敷地内に入ると、まず、エウメネスの門と市場(アゴラ)の遺跡があります。エウメネス2世 (紀元前197~ 159年) の時代に建てられた要塞門と紀元前に建てられた市場です。

一応そばに説明文の看板がありましたが、文字が色褪せていてほとんど読めませんでした。おそらく、丘の上から入場する観光客は、ほとんどここまで来ないため、メンテナンスが行き届いていないのかなと思われます…。

体育館(Gymnasion)

The lower terrace of the Gymnasion

でも、そのすぐ先に見ごたえのある遺跡スポットがあります。体育館です。

エウメネス2世の治世 (紀元前197~160年) に、3層のテラス体育館として建設されました。現在確認されているヘレニズム時代の体育館の中で最大規模のものです。W. デルプフェルトのチームによって1901年〜1910年に発掘されました。

入口にある塔に存在感があるので、すぐにわかると思います。

Gymnasion

下層体育館は子ども用で、中層は若者用、上層は成人男性用として使用され、アーチのある階段で繋がっていました。東と西側には浴場があり、「オデイオン」と呼ばれる屋根付きの音楽ホールは1,000人の聴衆を収容できるサイズでした。

体育館エリアは、その上部にあるヘラの聖域から全体像を見下ろすことができ、その規模の大きさを改めて確認させられました。

デメテルの聖域(The sanctuary of Demeter)

The sanctuary of Demeter

体育館を上がって左方向に広がるのがデメテルの聖域です。この聖域は古く、紀元前4世紀にまで遡ることができます。アントニヌスピウスの時代のコリント式ポーチを備えた神殿や、地元産大理石で建てられたヘレニズム神殿がありました。

ヘラの聖域(Hera-Holy Area)

Hera Holy Area

体育館の上部、右方向にはヘラ(ゼウスの妻)を祀る神殿がありました。アッタロス2世 (紀元前159~138年) によって建設されました。

先述しましたが、ここから見下ろす体育館エリアも絶景です。忘れず振り返って見下ろしてみてください。

建物Z(Building Z)

建物Z内のモザイク

デメテルの聖域とヘラの聖域の間には建物Zとして知られる建物があり、階段を上って入ることができます。1990年に発見された精巧な床モザイクなどが展示されています。

劇場(Theatre)

劇場

古代劇場の中でも、最も急な勾配を持つこの劇場の高さは36mあります。78列の座席を持ち、1万人の聴衆を収容可能な規模でした。アクロポリスの下層から入場し頂上へ上がって行く私たちは、最初に劇場舞台側から客席を見上げる形になります。車やケーブルカーで頂上からアクロポリスを見学する場合は、客席から舞台を見下ろす格好になります。

この劇場の舞台部分はテラス状になっており、穴の開いた石土台の上に木製の梁をはめ込んで枠を組んでいたそうです。劇場テラスの北端にはディオニュソス神殿がありました。

アクロポリスの西斜面を利用した客席の最上位に立つと、あまりの急勾配にめまいを覚えるかもしれません。この劇場はペルガモンアクロポリスにおける最大の見どころの一つとなっています。

ディオニュソス神殿(Temple of Dionysos)

Temple of Dionysos

劇場の舞台テラスの北側(舞台に向かって右手側)には、どっしりした台座に太い柱が転がっているダイナミックなセクションがあります。これがディオニュソス神殿です。

紀元前2世紀、エウメネス2世によって建てられたとされています。現存する建造物の大部分は、カラカラ帝時代、あるいはハドリアヌス帝の時代に再建されたものだと推察されます。

太い柱のみならず、その土台やその他の建築部位がすべて大きな塊で、もともとの神殿がいかに荘厳であったかが想像されます。

アテナの聖域(The sanctuary of Athena)

アテナの聖域

劇場座席を上がりきったところにあるアテナの聖域は、ペルガモン最古の神殿であり、紀元前4世紀に建てられたものです。

エウメネス2世 (紀元前197~159年) の時代に、神殿境内の北側に図書館が建てられました。この図書館は、アレクサンドリア図書館に次いで古代ギリシャ世界で2番目に大きな図書館で、20万巻以上の書物が保管されていました。しかし、紀元前41年にアントニウスによって剥奪され、クレオパトラに贈呈されたといいます。

ペルガモン神殿(Pergamon Altar)

Pergamon Alter

ペルガモンアクロポリス遺跡の中で最も印象的な建造物が、ゼウスとアテナに捧げられた神殿です。祭壇の外装にはオリュンポスの神々と巨人族の戦いを描いたレリーフがあり、高さ2.3m、全長113mで、アテネのパルテノン神殿に次いで2番目に長い古代レリーフだったといいます。現在はベルリンのペルガモン博物館に収蔵されており、ここには祭壇の基礎が残されています。

中庭には芸術品や奉納品が展示されており、中央の台座には、ローマ皇帝アウグストゥスの像が置かれていました。

トラヤヌスの聖域(Traianeum)

Traianeum

ペルガモンアクロポリスの最高位にある神殿はゼウスだけでなく、トラヤヌス帝を崇拝する神殿でもありました。その神殿の下にはアーチ型のテラスが残されています。

連続するアーチの建造物はよく手入れされており、当時の様子を容易に想像することができました。

ペルガモンアクロポリス見学所要時間は?

以上、私たちの徒歩による、ペルガモンアクロポリス見学の見どころでした。

ベルガマの街からゆっくり歩いて登り、写真撮影しながら見学し、登った道を歩いて下りて街へ戻りました。全体で多分3〜4時間くらいかかったと思います。

交通手段を使って上がり、最大の見どころであるペルガモン神殿と劇場だけ見るならそれほど時間はかからないでしょう。でも、せっかくベルガマまで来たのなら、たっぷり時間をとって、古代都市に思いを馳せながら散策してもらいたいなと思います。

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