静岡県三島市にやってきました。今回この街に一泊しますが、午前中に三島に着いたので、荷物をホテルに預けて観光に出ることにしました。
三島市に来た第一の目的は箱根旧街道を歩くことです。その前に少し時間があったので、三島市内も観光しています。
三島市について
三島市は静岡県の東部、伊豆半島の付け根に位置しています。人口は約10万人(2023年推定)。
かつて伊豆国の国府が置かれており、箱根へ続く東海道の宿場町として栄えました。
私たちはJR三島駅の近くに一泊し、公共交通機関と徒歩で一日観光しました。
箱根旧街道を歩く
三島は江戸時代、江戸と京都を結ぶ東海道の宿場町として栄えました。難所といわれた箱根の前後の休息地として重要な役割を担っていたのです。
箱根峠をはさんで三島と小田原を結ぶ道が箱根旧街道です。全行程は32kmありますが、海抜10mの小田原(現在は神奈川県)から標高846mの箱根峠を越え、標高25mの三島を繋ぐ道であり、坂道が多いことから東海道一の難所といわれました。
小田原から三島までのルートは旧街道としてハイキングコースになっていて、昔の人のように歩くことができます。しかし、先述した通り距離が長くてかなりハードです。そこで今回は、三島から箱根関所までの上りをバスで行き、歩いて坂道を下るルートで散策を試みました。
三島駅から箱根関所跡へバスで行く
箱根関所まで行くには、JR三島駅から旧箱根駅行きのバス(N65)に乗り、箱根関所跡でおります。
箱根関所跡まで行くバスは、一時間に1本しかありません。私たちがバス停に着いたのは午前10時過ぎで、バス乗り場の向かいにあった観光案内所で聞くと、次のバスは午前11時15分だといわれました。N65番バスは箱根関所の手前までしか行かない便もあるので注意してください。
出発まで一時間近く時間があったので、三島駅周辺の見どころに足を運んだりして時間を潰しました。このとき訪れた観光スポットは本投稿の最後に紹介しています。
箱根関所まで行ってしまうと、観光地ですので食べる場所はあまりありません。あっても観光地料金になっているため、コンビニでお昼ごはんを買って持参することにしました。
駅に戻る途中コンビニに立ち寄り、バス乗り場に着いたのは11時5分くらいだったと思いますが、すでにバスは満席で、車内で立っている人もいました。バスは予定通り発車し、少しすると席が空いて座れました。ほとんどの乗客は三島スカイウォーク(400mの吊り橋)で下車し、そのあとはかなりガラガラになりました。
箱根関所跡
箱根関所跡には午後12時15分ごろ着きました。三島駅からの所要時間は1時間です。
箱根関所跡には、当時の様子をしのばせる建物が再現されており、観光地となっています。外国人観光客の姿もたくさん見かけました。
もちろん、無料ではありません。私たちはここを見学することが目的ではないのでスルーします。今日はおそらく長い道のりになるはずですので、さっそく歩き始めることにしました。
箱根旧街道杉並木
箱根関所跡からすぐに南下して三島方面へ向かうつもりでいたのですが、地図で見ると近くに「箱根杉並木」という表示があったので、そこに寄り道することにしました。
箱根関所からはいったん小田原方面へ向かうことになり、杉並木だけ歩いてまた同じ道を戻ることになります。
遠回りにはなりましたが、行ってよかったです。このような高々とそびえ立つ杉並木の間を歩く小道になっています。杉林は日本人の方の中には見慣れている人も多いかと思いますが、外国人にとっては新鮮な光景です。イギリス人のクリスもたいへん喜んでおりました。
この辺りは芦ノ湖の周囲になります。芦ノ湖にはたくさんのスワンボートがならんでいましたが、その向こう側に富士山を望むことができました。箱根の峠を上ってきた昔の旅人も、この富士山の姿を見て感動したことでしょう。
私たちはこの付近の公園で、持参したお昼ごはんを食べました。いよいよ箱根旧街道を歩きます。
箱根旧街道石畳道入り口
箱根関所跡までいったん戻り、その前の道を三島方面へ歩きます。少し行ったところで右手の住宅街に入ると毘沙門天の鳥居があります。さらに進行方向へ進んだ場所に、「芦川の石仏群」があり、その奥が箱根旧街道の入り口になります。
Googleマップがよく機能しますので、それを参考に歩きました。
ズンズン歩いて行くと、旧街道らしい石畳の道になります。この辺はまだ箱根峠のピークを越える前ですので、上り坂になります。
箱根旧街道は旧東海道の一部で、旧東海道は将軍の住む江戸と天皇の住む京都を結ぶ道路でした。旧東海道は8世紀ごろから存在していたことがわかっていますが、徳川家康(1543-1616)の時代になってきちんと整備されました。
それまでは雨が降るとひざまで泥に浸かってしまう旧街道に、石を敷き石畳の道としたのも徳川家康です。石畳の道は今の時代にも残されており、私たちは江戸時代(1603-1868)の人々のようにこうして歩くことができるのです。
上り坂ではあるものの、勾配はそれほどきつくありません。緩やかな坂道の他、階段になっている部分もあります。
箱根旧街道は、上の画像のような自然の中の小道を歩く部分と、現代の車道脇を歩く部分との組み合わせで成り立っています。森の中の小道を歩いて行くと車道に出て、車道をしばらく歩いた後に再び小さな遊歩道へ入るという感じになります。
坂道の車道をゆるゆる上って行くと、箱根峠846mという表示が見えてきました。ここが箱根峠のピークです。このあとは基本的に下り坂になるはずです。
この日は平日でしたが、小田原から三島まで約40㎞の箱根旧街道全行程を歩くグループがいました。朝、小田原駅を出発し、三島駅まで歩くそうです。複数のグループに分かれてハイキングしているので、それぞれのグループを追い越したり追い越されたりしながら、私たちもほぼ同じ道のりを進みます。
箱根旧街道はハイキングコースとして整備されており、ところどころに公衆トイレも用意されています。ここは車道の交差点脇にあった公衆トイレ横に表示されていた箱根旧街道入り口の標識です。私たちもこれに従って進んでみたのですが、
残念ながらこの旧街道は通行止めとなっていました。脇にある説明標識を見ると、素敵な小道っぽいのですが、仕方ありません。数年前の悪天候によるダメージで通行できないとのことです。来た道を公衆トイレまで戻り、次の旧街道まで車道を歩くほかありません。
車道といっても大部分は歩道が整備されており、かなり広めの歩道を歩ける部分もあります。ただ、交通量が多いところを横断しなくてはならない場所もあるので、気を付けて歩行しましょう。
車道をしばらく進んでいると、このように旧街道入り口が表示されています。「山中城跡・三島宿」行きのほうへ進んでいきます。「三島宿」がつまり、三島市中心に相当します。三島は箱根峠の前後の宿場として栄えた町ですので、「三島宿」と今でも表示されているのですね。
「かぶと石」というところに出てきました。大きな岩が、まるで兜のような形をしているためそう呼ばれるようです。
再び車道を歩いていると、「三島市」という標識が見えてきました。いよいよ三島市まで戻ってきました。
再び、車道から田舎道へ入ります。歩いている途中で出会った熟年の男性に「山中城跡は素晴らしいから行ってみなさい」と提案されました。そこで「山中城跡」の標識に従って、ずんずん歩いて行きます。
石畳の道、竹藪や雑木林に囲まれた道もあれば、このような杉並木の道もあります。
「山中城跡」の標識に従って歩いて行くと、突然広いコンクリート道に出ました。山中城跡が近いようです。
歩道橋が見えてきたら、もうすぐ山中城跡です。この橋を渡ったところに、山中城跡の入り口があります。
山中城跡
歩道橋を渡り、山中城跡に到着しました。階段を少し上がって敷地内に入ります。入場料は無料です。
城跡といっても、お城の建物は残っていません。広い敷地内に植物や遊歩道が整備されており、庭園を散歩するように歩き回ることができます。
けっこう広いのですが、入り口付近に敷地内地図があるので確認しておきましょう。見どころは一番奥、つまり最も高いところからの景色です。
残念ながら、この日は坂道を下るのに呼応したようにお天気も下り坂。この時点ですっかり曇り空になってしまっていました。いつ雨が降ってくるともわからないような空模様です。そのため、期待していた景色は見えなかったのですが、お庭のツツジが咲きかけていてきれいでした。
バスで三島駅へ
山中城跡を見学したあと、出口・駐車場の方へ向かうとバス停があります。私たちがこのあとの道筋を地図で確認していたとき、ちょうど三島駅行きのバスが通りかかりました。それに飛び乗って、今回はハイキング終了です。
三島駅を午前11時15分のバスで出発し、街に戻ってきたのは午後4時半頃でした。ハイキングコースとして歩いた距離はおそらく12kmくらいだと思います。
その他、三島市観光スポット
先述しましたが、箱根関所跡に行くバスを待つ時間がけっこうあったので、その間に三島駅周辺を少し観光しました。そのときに立ち寄ったスポットを紹介しておきます。
楽寿園
駅から徒歩すぐ。入場大人300円ですが、このときは時間が不十分だと思ったので、中には入っていません。美しい日本庭園が楽しめるようです。
水上文学碑通り
楽寿園から白滝公園の方へ向かった先に、川辺に沿って歩ける歩道があり、三嶋大社へと導いてくれます。そのわきには文学碑が立てられていて、著名な文学家の文章などが掲示されていました。
三嶋大社
JR三島駅から徒歩10分くらいです。立派な神社で見どころもたくさんありそうでしたが、私たちはここでタイムオーバー。バスの時間に間に合わせるため、正門の写真だけ撮影して駅方面へ戻ることにしました。次回はじっくり散策したい神社です。
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