シュガービーチに3泊したあと、次の目的地はシュノーケリングが楽しめるアポ島です。
アポ島へはネグロス島第二の都市、ドゥマゲッティから行くこともできますが、私たちは、ドゥマゲッティの手前にあるマラタパイ近郊に1泊してそこからアポ島へ渡ることにしました。
シュガービーチからマラタパイまで行くには、いったんヒノバアンまで出て、バスを乗り換えます。
シュガービーチ脱出!シパライを目指す
シュガービーチはネグロス島最大の観光都市といわれるシパライから数キロのところにある、白砂ビーチです。
私たちはバコロドから、ギルモンティージャ市場までバスで行き、そこからペディキャップ(トライスクル)でシュガービーチまでたどり着きました。
ラッキーなことに、ギルモンティージャ市場からシュガービーチまでは、ローカル価格の一人25ペソで行くことができたのですが、シュガービーチからギルモンティージャ、あるいはシパライまで出る道は、それほど簡単ではありませんでした。「行きはよいよい帰りは…」状態です。
シュガービーチから最寄り街への移動費用
ゲストハウスで聞くと、シュガービーチからシパライまでのトライスクル(バイクに座席が横付けされたタクシー)を呼んでもらうとすると、一人150ペソかかるといいます。ギルモンティージャまでなら一人100ペソ。いずれも、私たちが来る道で払った金額に比べるとずいぶんお高いですね。
次に、ゲストハウス近くのレストラン兼ショップで金額を聞いてみたのですが、シパライでもギルモンティージャでも、二人で300ペソだといわれました。観光客価格はこれが固定価格になっているようです。
この日は、ヒノバアンでバスを乗り換えてマラタパイまで行きたかったのです。そのためには、ギルモンティージャ市場かシパライのバスターミナルでヒノバアン行きのバスに乗る必要があります。
シュガービーチからシパライまでは10km以上ありますが、ギルモンティージャ市場までは5.7kmです。荷物を背負って歩くのはつらい距離ですが歩けない距離ではありません。それに、歩く途中で何かしらの移動手段を確保できる可能性が高いとみて、シュガービーチを歩いて離れることにしました。
結果的に歩く途中の道で、流しのトライスクルを見つけ、安く利用することができました。少しでも安く旅をしたい人は、まずシュガービーチを歩いて出てみることをおすすめします。
シュガービーチを歩いて脱出
シュガービーチの駐車場から、数日前トライスクルでやってきた道を戻るように歩き始めました。時刻は午前8時40分。まだ温度も高くなく爽やかな気候です。雨も降りそうにありません。
コンクリートで舗装された道へ出て少し行くと人家があり、その前にトライスクルが一台停まっていました。「Good Morning」と声をかけると中から若い男性が出て来ました。
そこで、シパライまで運賃を交渉しようとしたとき、シュガービーチ方面から別の男性がオートバイでやってきたのです。
笑顔もあいさつもないこの男性が、無言でトライスクル運転手にプレッシャーをかけているのが感じられました。シパライまでいくらだと尋ねると、トライスクル運転手ではなくオートバイの男性が300ペソだと答えます。ギルモンティージャ市場までは二人で200ペソということです。どうやらシュガービーチにも交通マフィアが存在しているようです。
シュガービーチから低価格でシパライまで行く方法
交渉決裂です。運転手の男性にはお礼をいって、私たちは再び歩き始めました。
コンクリート橋の手前、緩やかな坂道を上ったところで、向こうからやって来るトライスクルが一台。客席には誰も乗っていないので、停めて値段交渉を始めました。
そしてシパライのバスターミナルまで、二人150ペソで行ってもらえることになりました。現金を見せて、一人頭ではなく二人で合計150ペソだということを確認して乗り込みます。
シパライまでの道は、鋪装されていない部分も多い上に、コンクリート道の工事により迂回したのもあったため30分程度かかりました。しかもバスターミナルに向かう舗装道を走っているときに、ちょうどヒノバアン行きのバスとすれ違ったのです。
シパライ(Sipalay)からヒノバアン(Hinoba-An)までのバス旅
バスターミナルに着いてすぐ、待ち合いのとなりのブースで聞いてみると、やはりちょうど先のバスが出たあとでした。次のバスは午前10時半出発だといいます。1時間ほど時間があったので、近くのマーケットで食料を調達しました。
食べ物と水を買い、ついでにシパライのビーチで写真撮影。
バス停に戻りお手洗いをすませて少し待っていると、バコロドからのバスがやってきました。
シパライからヒノバアンまでの運賃は一人57ペソでした。ヒノバアンまで約40km、所要時間は1時間程度です。午前10時半にシパライのバスターミナルを出たバスは、11時20分にヒノバアンバスターミナルに到着しました。
ヒノバアンからバヤワン(Bayawan)までのバス旅
ヒノバアンバスターミナルからは、ドゥマゲッティ行きのバスに乗り換え、バヤワン(Bayawan)で再びバスを乗り換えなくてはいけないといわれました。バヤワンからのバスは15分おきに出ているといいます。
おそらくこのバスはバヤワン以降、海岸沿いではなく山の手を走ってドゥマゲッティまで行くのでしょう。次のドゥマゲッティ行きのバスは12時発になります。
ドゥマゲッティ行きのバスはすでにターミナル停まっていました。ヒノバアン始発になります。ここからバヤワンまで約50km、一時間半の距離です。ヒノバアンからバヤワンまでの運賃は一人108ペソ。エアコンなしのバスにしては、割高な印象を受けます。
バスは予定通り12時にヒノバアンを出発しました。乗客の乗り降りで頻繁に停まるため、距離の割には時間がかかります。バヤワンのバスターミナルに着いたのは午後1時半ごろでした。
バヤワンからザンボアンギタ(Zamboanguita)までのバス旅
バヤワンバスターミナルに到着すると、マラタパイ経由でドゥマゲッティまで行くバスはすでに停まっていました。マラタパイを通ることを確認してバスに乗り込むと、バスはすぐに発車しました。
バスはエアコン付きで、片側三列と二列のシートでした。車掌に行き先告げて切符を購入します。私たちが予約したホテルはマラタパイの手前にあるザンボアンギタ(Zamboanguita)の街の端にあります。その付近までの運賃として一人169ペソを支払いました。距離にして約75kmです。
ザンボアンギタで一泊
ザンボアンギタの手前の街からどんどん乗る人が増えてきて、バスは満席以上になりました。そのため私たちが降りるときはちょっと時間がかかりましたが、予約していたホテルの近くでなんとか下車。
数百メートル歩いてホテルにチェックイン。この日は日曜日だったのですが、翌日は5月1日のレイバーデーでフィリピンは祝日です。連休中ということで、宿泊料金はやや割高になりましたが、アポ島行きの船が出る港まで3km強という場所で選びました。
翌朝はいよいよ船でアポ島へ渡ります。
マラタパイ船着き場への移動
ホテルに宿泊した夜、オーナーにアポ島行きの船について尋ねると、朝7時くらいからアポ島に活きたい観光客が船着き場に集まるため、船をシェアしたいなら早めに船着き場へ行くほうがいいといわれました。マラタパイからアポ島へは、パブリックボートも出ていますが、一日一便しかないとか、正午から午後3時の間に出るとか、情報が交錯していてはっきりしません。
アポ島まで船をチャーターすると1艘につき3000ペソかかるという情報で、それは私たちにはありえない話です。
それで翌朝は7時には船着き場に着いておくほうがいいという、ホテルオーナーのアドバイスに従うことにしました。ホテルから船着き場までは3.3kmの距離なので歩くつもりでしたが、オーナーが無料で車を出してくれるというので、それをお願いすることにしました。
翌朝、ホテルの従業員が午前6時45分に部屋まで呼びに来てくれました。彼が運転するバイクタクシーでに乗って悠々とマラタパイの船着き場へ向かったのです。
マラタパイ船着き場でアポ島行きボートを待つ
船着き場までは5分強の道のりです。午前7時前に到着しました。
到着すると女性がデスクに座っていて、この人が乗り合い船を手配してくれるようです。彼女の傍らにはホワイトボードが2つあり、チャーター船の価格表や乗り合い船の船頭の名前リストなどが記されていました。
二人でアポ島に行きたいこと、日帰りではなくアポ島で宿泊する予定だと伝えると、乗り合い船は片道一人500ペソだといわれました。
私たちの前に、フィリピン人女性が一人来ていて、彼女も乗り合い船を待っていました。待っている間に、別のデスクに座っていた女性に促されて、名前をノートに記載します。ターミナル使用料一人5ペソも徴収されました。
あとは他に乗客が集まるのを待ちます。
アポ島へはほとんどの人が日帰りツアーで行きます。ドゥマゲッティからのツアーが多いようですが、近くの街に宿泊して、船着き場から日帰りシュノーケリングに参加することもできます。
船着き場にあった日帰りシュノーケリングツアーの広告です。シュノーケリングマスクのレンタルとガイド料が込みで一人300ペソとなっています。
マラタパイ船着き場へから乗り合い船を利用して日帰りツアーに参加する場合、船代は私たちのように片道利用の人が一人につき500ペソ支払った後、残りの船代を日帰り(往復利用)の人で割って計算するようです。
船代と船着き場使用料と別に、アポ島に入場するのに一人100ペソ支払う必要があります。上の画像のような紙が渡され、アポ島に上陸したときにこれを持ってオフィスで支払うようにいわれました。
そして、私たちが船着き場へ来て1時間くらいたったころ、別の乗客やってきて船に乗れることになりました。
アポ島までのボートの旅
「乗客が集まったので、船が出ますよ」と担当の女性にいわれてから、さらに10分くらい待ちましたが、とにかく出航です。
船頭さんのあとについて、船に乗り込みます。アポ島行きの船は画像のような小舟で、水しぶきがすごいので絶対的に濡れます。それで、この時点で私はレインコートを着用、クリスは貴重品とデバイスを防水密閉袋に収めました。
ここは船着き場といってもビーチに船が寄せられているだけで、乗り込む際には膝まで水に浸かって歩かなくてはいけません。降りるときも同じです。濡れても構わない服装でのぞみましょう。
いよいよ出発です。船は小気味よく進み、水しぶきはバッシャバッシャかかります。バックパックは濡れない場所に収められていますが、私たち乗客はかなり濡れています。
アポ島到着
船着き場を出たのが午前8時ごろ、アポ島に着いたのは8時50分でした。
アポ島への到着時も、膝まで水に浸かって岩場を歩いての上陸でした。
アポ島に着いて歩き出すとすぐに、「あちらのオフィスで上陸料金を支払ってからホームステイに向かってください」と声をかけられました。
アポ島は保護区なので入場料として一人100ペソ支払う必要があります。いわれた通りに進んでいくと教会のような建物があり、その横にオフィスがありました。
海側のバルコニーにアポ島入場料支払ブースがあるので、そこで船着き場でもらった入場料の紙を出して料金を支払います。代わりにレシートをもらって、あとはアポ島を楽しみましょう!
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